魅力の詰まった日光東照宮 阿加井秀樹
みなさんこんにちは。
阿加井秀樹です。
前回に引き続き猿について紹介していきます。
前回は挫折を味わい慰められながらも乗り越えていく猿までご説明しましたが、次の猿は胡坐をかいて正面を向く猿と木にぶら下がっている猿です。
これは恋に悩んでいる猿を表現しているといわれています。
次の場面に移りましょう。
青い波のような形の彫りからのぞき込むような猿とそこに手を差し伸べるかのような猿の2匹が彫られていますが、これは夫婦で乗り越える荒波を表現しているといわれています。
すでに結婚しており人生の荒波を暗示しています。
次の場面ではお腹の大きい猿が1匹彫られています。
これは妊娠した母猿を表現しており、子ザルもやがて母になり、親になって知る苦労や喜びを表しているとされています。
そこから物語は1場面目の三猿の前ですね。
赤ん坊時代に戻っていきます。
このループする物語は輪廻転生を意味しており徳川家が長く輪廻していく様を願って彫ったのかもしれません。
盛者必衰という言葉が有名ですが日光東照宮には家紋が逆になっている回転燭台があります。
これは作った人間の単純なミスという捉え方もできますが、完成したものには残るものは衰退しかないと考えられています。
そこであえて間違った不完全な状態にしておくことで衰退していくことを食い止めるという願いがあるとも考えられているそうです。
日光東照宮の一部しかまだ説明できていませんが今回はここまでにしておきます。
それではまた。阿加井秀樹