小林公夫先生プレゼンツ! 医学部の小論文・面接対策!(後編)
医学部を受ける人にとって、「面接」「小論文」の対策は悩みのタネですよね。
他の科目と違い、学校で勉強するものではないので、まずどんな試験なのかがよく分からない、対策の方法が分からない、という人も多いでしょう。
『医学部の面接』『医学部の実戦小論文』著者の小林公夫先生に、
医学部の面接・小論文の対策について、お聞きしてみました!
後編の今回は、「面接・小論文対策の具体的な進め方」を教えていただきます。
前半はこちら
Q3.受ける大学によって、面接・小論文の対策は変えるべきですか?
医学部入試では学科の試験の準備に時間がかかるので、自分が受けようと思っている大学の試験をしっかり分析して、適切な対策が手短にできるように対応を変える必要はあると思います。分析をする際は、試験が配点化されているかどうかということや出題形式、面接であれば時間の長さといった情報も参考になります。
例えば、国際医療福祉大は、面接の時間が30分×2回と非常に長く、また他の大学にはあまりない国際関係の質問も多く問われています。こういった傾向のある大学では面接の対策はしっかりしておく必要があるでしょう。また、グループディスカッションの形式の面接を課す大学も国公立・私立ともにあります。グループディスカッションは、進行の仕方や発言のタイミングなど独特な点があるので、事前の練習や準備がなければ、当日急に対応するのはなかなか難しいです。
また、近年多く出題されているMMIという形式にも注意しましょう。これはMultiple Mini Interviewの略で、複数回の短い面接で能力を問うものです。ある難しいシチュエーションを面接官から文章で提示されて、それに対して回答することを求められるのですが、簡単に正解が導き出せるような問題は出題されません。受験生が悩みながらも自分なりの回答を導きだすプロセスが重視されているのです。東邦大学や東京慈恵会医科大学、藤田医科大学や千葉大学など、こういったタイプの試験を課している大学を受ける受験生は要注意です。
また、面接や小論文の比重が高い、推薦入試や総合型選抜を考えている人は、もちろん重点的な対策が必要です。試験の日程も早いため、志望を考えたらできるだけ早く対策を始めましょう。
また、これらの練習をしていく中で、面接と小論文の勉強は分けてやらない方がよいですね。前編でも申しあげたとおり、医学部に特有なこれらの試験は、医師になるための能力を問うています。そのため、面接の練習と小論文の練習は密接に関係するものになります。小論文の解答を考えることは面接の回答を考えることにもつながりますし、その逆もしかりです。どちらも意識しながら練習していきましょう。
Q4.面接・小論文の対策はいつごろから始めればよいですか?
4月から始めるのが理想ではありますが、医学部入試では他科目の重要度も極めて高いので、なかなか難しいでしょう。遅くとも夏くらいには意識しておいてほしいかなと思います。実は、面接や小論文は直前期に詰め込んで効果のある科目ではないのです。直前に付け焼刃で仕入れた知識や言葉は、実戦ではなかなかうまく使えないものです。試験官になる先生たちにはそれを見透かされてしまうので、早めに練習して、暗記した言葉ではなく、自分の言葉として使えるようにしておきましょう。
たとえば、かつて面接でこんな問題が出されたことがあります。
医師とコメディカルの関係性が問われている問題ですが、直前に本を読んで知識を入れただけでは、答えをすぐには出せないのではないかと思います。
夏からの対策が必要とは言っても、1日30分程度参考書を読んでいく程度で十分です。1時間をノルマにすると続かなくなると思います。本の内容を一気に詰め込むのではなく、毎日読み進めていくことで、実戦で使えるような自分の言葉にすることができます。
Q5.対策のやり方がわからないのですが、どうすればよいですか?
自分の知らない知識を補充できるものとして、まず、医療系の話題を扱った本や、参考書を用意した方がよいです。それで、知らないこと、気になることを見つけたら蛍光ペンなどでチェックしていき、一通り読んでしまう。先ほど申しあげたように1日30分でよいのです。その後は、繰り返し読み、チェックしていた項目を再確認するのがよいでしょう。小論文であれば、自分が答えられそうにないな、と思う設問を選んで、まずは書いてみることが重要ですね。壁にぶつかるうちにポイントがつかめるようになります。
実戦は、学校や予備校などの先生を頼ってみましょう。面接であれば模擬面接を、小論文であれば添削をお願いしてみましょう。
小林公夫先生、ありがとうございました!