自分にとっての「メートル原器」nFD50mmf1.4
自分のカメラ趣味は中学2年生の時、借り物のペンタックスSP(それと55mm、85mmのレンズ)で始まった。
ともかくわけがわからないけれどピントを合わせて、開放ではない測光方式で露出を決めて撮る、ということが嬉しかった。
借り物のペンタックスは中学卒業時に返却することになり、高校進学で買ってもらったのがキヤノンAー1とこの標準レンズと歪みが恐ろしく激しかった70−150のズームの3点セットだった。
予算的にズームを諦めれば旧型Fー1の最後の新品が買えたのだが、当時の自分はカメラロボットというフレーズ(鉄道ファン誌の表4広告)に毒されていてこちらを選択。
その後、70−150は早々に諦めて、さらに就職してからF-1を中古で購入したりするのだから、愚かな限りなのだが。
そんな中でこの当時の標準レンズはいまだに現役である。
キヤノンのレンズワーク
キヤノンのレンズワークという本で全FDレンズの基準となるレンズと謳われていた本レンズだが、確かにそれだけの実力はあった。
学生時代に後輩が同じエマルジョンのコダクロームで シャッター速度と絞りを揃えてニコンとキヤノンで撮り比べをした時、ニコンは空が青く写らなかった。そんなに違うのか、というのを鉄研の部室でポジを見て思った。
さらにEOSになってからキヤノンは色の基準をフジに変えたとかは、仲間内で話題になった。
そんなFDレンズを何とか使いたいと思いGXRを購入。APSなので画角は変わるのだけどそれらしい画がうれしくて。(しかし昨年、GXRは電車に置き忘れるという痛恨の出来事でもはや手元にはないのだが)
羅須地人鉄道協会まきば線で撮影
普段はズームでカバーしてしまう画角なので出動機会は少ないが、先日、羅須地人鉄道協会まきば線の撮影に持ち出してみた。カメラはZ6。
ちゃんと青い空も綺麗に出ているし機関車の質感もわかる。
メートル原器
自分がいろいろとレンズを見るときは結局、このレンズと比べてどうか、という形で見てしまう。まさに自分のメートル原器、である。
フィルム時代はこのレンズよりいいと思ったのはヤシカ時代のコンタックスの50mmF1.7ぐらいだった。
改めて今回、本格的に持ち出してみてその価値があるなぁと。AFだとか手ぶれ補正などレンズの進化は著しいが光の振る舞いまでは変わるわけではない。さらに標準レンズなので素子への光の角度も割とまっすぐで具合がいいのだろう。
先に述べたEFになって色の傾向が変わったこともあり、フィルム時代はFD(とコダクローム)を使い続けた。
そしてFDをあっさり切り捨てたキヤノンはもう絶対買わない(プリンタもEPSON一択)と心に誓い今に至っている。
(終わり)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?