東京現代美術館『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』2020.12.5
本日泣く寒さの中『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』展に行く。1人の人間の仕事量と濃密さに、ただやられる二時間超。体内で発芽した精神の種が血管を通り心臓を動かし、大きく息を吸って響いた筋肉で大地に立つような血肉感ある初期のデザインは見ているだけで殴られるような力強さよ。
こうして見ると初期のPARCOの広告はメッセージ性が強かった。いつからコマーシャルになったのか。手がけた広告や装丁は荒野に立つ無頼さがあり、見てるこちらを突き放す。孤高ゆえに未知の扉の鍵を持ち、扉を開いた先には鮮やかな世界が広がる。心中にサーカス団を持つタイプのクリエイター。
『ザ・セル』『落下の王国』の展示を見ていると、このクオリティで『ベルセルク』を実写化したら凄そう。【蝕】とかトンデモない唯一無二の映像美を誇りそう。あぁ見たかった。生み出す美という存在の圧倒的大人スケール感。しかし今ひとつ入場者が少なく感じるが、じっくり見るには丁度いいのだ。
【追加】銀座グラフィックギャラリー