音楽について話さねばならぬ気分 またはツアー中止の悲報
Grapevineのボーカル田中さんが体調不良でツアーのファイナルがキャンセルになったとニュースが流れる
ニュースの文字にも音声にも体温はないけれど
その悲報に、ため息や悲鳴や、思わず飲んだ息や、声にならない声が吸い込まれていく
6月に今思うと恐ろしいけど、SUNが一番好き。というか好きなのはSUN一択、他の曲はそれを越えないと言い放ち、そしたら、超えると言われて、大喜利じゃないわいと思いながらも、アルバムも予習しておくように言われて、ふうん、初期のアルバムツアーって珍しいんだなんて、舐めた態度で
牛に引かれて善光寺ならぬ
昭和女子大学音楽ホール
期待値ゼロ。
CDで予習していたけど、どうしてもボーカル田中さんのミャアミャア声が耳にこびりついて、歌詞の世界に入り込めない
1曲目にマリーのサウンドトラック(寺山修司やんか!)
ガツーン脳天かち割られる
雷に打たれたように母娘、スゲえ、これが本物のバンドだと目を見合わせて、二階席最前列、二人とも落ちんなよってくらい前のめりに
思わず、可哀想な私のRADWIMPSと目頭を押さえた。(エリザベス女王が南米イグアスの滝をみて、可哀想な私のナイアガラと言ったとか言わないとか)鳥肌が波状攻撃でたって止まらない。男なら射精したろうと思う笑
半信半疑からの一転熱烈な信者に。
無知とは罪だと言うけれど、危うくナポリを見ずに死ぬとこやった
なにがどうすごいとか音楽的テクニック論は、私は楽器にも音にも詳しくないから書けないけど、とにかく、凄い。これぞ邦楽ロックの真骨頂。演奏も、コーラスも、ボーカルも、三つ巴になって聞くものの魂を震わせ、振動がビンビンお股に響く。
これまでの音楽人生をひっくり返すほどの衝撃。
(てゆうかお前が何にも知らないだけだろ💢そのくせ発見したと息巻く詐欺師コロンブスと言われても仕方ない)
彗星の如く現れ、いきなりトップに躍り出てそのままゴールする山梨学院大のオツオリさんみたいな(私にとっては)
音楽界ではもっと評価されていい、でも知っている人は知っている実力派のベテランバンドです。汗汗。
ふと思う。あの時ライブを観れたのは、当たり前じゃなかったんだな。
改めて気づかされる。
楽しみに恋い焦がれていたって、叶わないこともあると言うのに。
忘れるし、慣れてしまう、飽きてしまう。悪い癖だ。
だから書くのかもしれない。忘れないように、ちゃんと感謝しろよと。
田中さんの回復を祈って。一番好きな曲を。頭上をハウハウハウリングするギター音と、下半身ズンズン響くベース音に、全身が金縛りにあったみたいに震える。これはもうセクシーとしか言いようがない曲だ。