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竹馬の友

少し長く生きて来てみて
記憶の引き出しのしまい方も
人それぞれなんだろうと思うけど
整理整頓する人
とりあえずぶち込む人

私の場合長く記憶に残って
忘れられないのは

想定外のこと
ハプニング
サプライズ
未知のことが既知になった瞬間
バカバカしいこと
二度はやりたくないなあという失敗

を誰かとシェアした時のことだ

海外旅行はこの全部がもれなく含まれるから
やっぱり忘れられない笑

それに対して

消費したこと
台本通りだったことは
殆ど覚えていない

どんなに高い店で美味しい料理を食べても
美味しかったなあということは口にはできるけど
詳細に思い出して語ることはできない
記憶の襞に引っ掛かるようなエピソードも
泡立つ波打つ感情もそこからは湧き上がらないから

もちろん毎日が弥次喜多珍道中みたいだったら
身が持たないから
日常は記憶に残らずに
日々後ろに過ぎ去っていくのでいいのだと思う

でも誰かと会うケの時には

その設定がバカバカしければバカバカしい程
私には忘れられないし
その後の縁もまた太いような気がしてしまう

20年来の付き合いの友人と
最初に出会ったのも
ゴールデン街の原子心母で
SAYAさんというオネエサンがママの日で

ロシア文学翻訳者の友達と飲んでいて
左右で飲んでる人たちと肩を並べているうちに
自然と音楽の話になって

そりゃあね、泣く子も黙るプログレの店だからね笑
二軒三軒ってはしごしているうちに朝になっちゃって
そのまま新宿駅まで三人でスタンドバイミーみたいに
並んで歩いて
私がふざけてリバーフェニックスみたいに後ろ足で
彼のお尻を蹴り上げたら
なんだよおって彼も軽く蹴り上げてきて
ああ、この人スタンドバイミー見てるなって
一緒に遊べるかなって思ってから二十年遊んでる笑

別に友達って一緒に買い物したり
映画見たりご飯食べるためにいるわけじゃないし
そんな一人でもできる消費だったら
一人ですればいい

2人で
バカげたことを
大真面目に
真剣にやりきっていれば
きっと神様が見ていてくれて
2人が友達でいることを
微笑んで見守ってくれると思うし

その水平線上
旅の空の下で
またハンモックに揺られる日が
きっと自分を待っていると思える






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