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新しいフォルダを

少し長く生きてきてみると
不思議と繰り返す出来事があると思う
その人にとってのジンクス
なんらかの経験則を導き出したくなるような出来事

それは運命なのか
偶然なのか

わからないけれど

目の前に繰り返される出来事

自分の大切な人の命や健康が
刹那に不条理に奪われることの
目撃者の意味は?

人生に対してどんな色を
何を引き受け持つようになるのだろうと思った

だから
なのか
でも
なのか

自分の体験で
その人が記憶を半紙一枚分でも
上書きできるようにと願ったというと

私は実際は何もしていないから
無責任なんだけど

だれもがそのくも膜下出血の病名と
突然に赤色灯ともる車内に担架で吸い込まれていく様子に
向こう側に渡ったと思った赤毛のチコが

シレッと
まるで何にもなかったかのように
退院してきたよって
仕事にも戻っているよ
なんなら遊びに行くよ光の速さでって
足のある幽霊みたいに二本足で立って
目の前に現れたのは

そのひとの記憶に
ニャシャシャとチシャ猫みたいに笑って
新しいフォルダを書き加えたかったから

頭の病気したけど
無傷みたいに生きてるぜ
こんなこともあるよ人生にはって
も一個、フォルダいるねえって

って串カツ食べながら言おうとしたんだけど
揚げたての玉ねぎが熱くってね
ハフハフしちゃってうまく言えなかったよ笑



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