小沢健二とうさぎ!

記事を読んでいて大切な本のことを思い出した。(デイリー・ジラフさまご紹介ありがとうございました。)題名は、うさぎ!

オザケンのライブで、隠れキリシタンが聖書の教義を伝えるように、ファンがこっそり、ひっそりと、脈々と流布させた本。一般の書店にはならんでいない。地下発禁本みたいな。検閲もうけていない、究極に自由な一冊。

10年以上前に友人から是非読んでみてほしい感想を聞かせてほしいと、コピーしたうさぎ!を郵便でドッサリ送られて、えーオザケン?本?と侮っていたけど、とんでもない。彼の世界観は広く深く、裏を表にひっくり返してみせるような、裸の王様を指さした子供のような無邪気を装って警句に満ちて、この世界を鋭く洞察して衝撃だった。

私も職場のコピー機をこっそり無断借用して、分厚い一冊の本に炙り出して、信者の1人として布教に励んだ。

隠れキリシタンが、思いがけず、バッタリとnoteというプラットフォームで出会えた喜びに、貴方もでしたかと目配せしてしまう笑。
久しぶりに本棚をゴソゴソしてうさぎ!を探す。あった。良かった。

特殊な流通の仕方に物語があって私にとって特別な一冊。うさぎ!はこうでないと、作品として完成しないと思わせる。オザケン完璧な仕込みだ。本の装丁をなさない本だというのも特別笑。でも大切な一冊。

今夜はブギーバック!うさぎ!と夜更かししようかな。

いいなと思ったら応援しよう!