スコールと午睡

ーママ?処方箋どこやったの?コンタクト買いに行きたい!

ーえ?保険証入れか、領収書入れにないの?

ーないよ!食べちゃったの?!

ーおかしいねえ。ウチにはヤギか羊がいるのかなあ。
あ、ヤクならウチに来たよ!

ー面白いこと言ってもダメだよ。また眼科行くの?今日は携帯受け取りと塾の面談もあるんだから!午前中に三つ済ませられるの?!

ウチの秘書はスケジュール管理は完璧だ。笑

ー無理。

ーもう。仕方ない。とりあえず出掛けようよ。
それからさ、文化祭の英語劇、ウエストサイドストーリーに決まったよ涙。

ー大御所来たねえ。受験生笑。ジョージチャキリス、カッコよかったなあ。

ーチャキリス?どこの国の人?笑

ー黄色いドレスのアニタが1番好きだ❤

ー主人公の友達ね。みんな死んじゃうらしいね。ロミジュリパクりすぎじゃね?

ーん?そんなに死んだかな。ジェット団とシャーク団のヤンキー同士の抗争と人種差別と悲恋の物語だよね

ーなんで、アニタのドレスの色は覚えてて、眼科の処方箋は無くしちゃうのか、ママ意味不明!

手前が見えない=老眼
手前から忘れる=老化の始まり?

不思議だよねと、遠い目をしてしまうが、それでは事は済まない。
が、こうい時に必ず助け船が現れるタイプで、コンタクト屋さんのお姉さんが、眼科に直談判してくれて、今回だけですよ、特別ですよと処方箋を再発行してくださった。アリガタイ。

午前中にiPhoneを手に入れ、コンタクトも無事に購入、塾の模試の結果を受けての面談も有意義におえて、降りだしたスコールの様な雨に遠い旅の日々を思い出しながら午睡の日曜日。

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