平成初期の月9にあったような痴話喧嘩を現実でもやる馬鹿
「まぁ、お前みたいなガサツで色気もねー女なんてこっちから願い下げだけどな。誰がお前なんかと付き合うかよ。ぜってーありえねぇわ。」
「はぁ?こっちだってアンタなんて余裕でお断りなんだけど。なに勘違いしちゃってんの?アンタみたいな変態絶対無理!」
「あっ⁉︎誰が変態だよ⁉︎俺がいつ変態なことしたってんだよ?」
「いつもよ!さっきだって女子高生のことを変な目で見てたの知ってんだからね!」
「み、見てねーよ!あれは、あの娘がカバンにぶら下げてたストラップを見てただけだし。てか、お前、俺のことめっちゃ観察してんのな?どんだけ俺のこと見てんだよ。もしかして、あれ?嫉妬しちゃってるとか?」
「は、はぁ〜????そんな訳ないじゃん!何言ってんの?マジで叩くよ!」
(女、拳を上げ殴ろうとする仕草をする)
(男、自分の顔を両手で守る仕草をする)
「おっ、おい!やめろって!殴んなし!なに動揺してんだよ。まさか核心をつかれて動揺しちゃってるわけ?」
「あーーー!ムカつく!!!そんな訳ないじゃん!誰がアンタみたいな変態に嫉妬すんのよ!馬鹿じゃないの⁉︎」
「はぁ?誰が馬鹿だよ!お前より賢いっつーの!てか、仮に俺が変態だったとしても、お前みたいに色気のねぇ女のことをエロい目で見たりしねーから安心しろ!」
「誰が色気がないですって⁉︎失礼ね!!!まぁ、仕方ないか。アンタみたいなお子ちゃまにはまだ分からないわよね。アンタみたいなエロガキはエロ本でも見て興奮してれば良いのよ。このエロガキ!」
「誰がエロガキだ!お前みてーな品も色気もない奴に誰が発情するかよ!バカ女!」
「バカ女って何よ!あー、もう信じらんない!アンタなんて大っ嫌い!」
「俺の方がもっとお前のこと嫌いだね!」
「私の方が大嫌いだし!大大大っ嫌い!バカバカバカバーカ。あっかんべーっ!」
「はぁ?お前の方こそガキじゃねーか!今どき子どもでもあっかんべーなんてやんねーから!ガキ女!」
「ガキにガキって言われても、何にも悔しくなんかありませんよーだ!」
「あーあ。クソガキがなんか言ってらぁ。めんどくせーから家に帰ろー」
「はいはい。帰った帰った。ガキはとっととお母さんのいるお家に帰りなさい」
「ああ、帰るよ。帰りますよ。じゃあな、バカ女」
(男、女に背中を向けて歩き始める)
(女、思わず声をかける)
「ちょっと!…本当に帰るの?」
「あん?帰るよ」
「まだ17時だよ…」
「関係ねぇよ。お前が帰れって言ったんだろうが!」
「あっ、そう。本当に帰るんだ。やっぱりアンタはガキだったってことだ」
「はぁ?何が言いてぇの?」
「だから、17時に家に帰るなんて早すぎるって言ってんの!」
「なんだよ。結局帰ってほしくねぇんじゃねぇかよ。だったら最初から素直にそう言えって。本当お前ってめんどくせぇな。メンヘラかよ」
「…。あーあ、今完全に私のタブーに触れたね!核ミサイルのスイッチ押したね!」
「あー押しましたとも!それがどうしたんだよ?」
「帰るっ!」
「は?」
「だから、帰るって言ってんの!」
「何言ってんだよ」
「じゃあね!」
(女、男に背を向け歩き始める)
(男、慌てて声をかける)
「ちょ、ちょ待てよ!」
「ふん!」
「だから待て。あっ、違う。ちょ、待てよ!ちょ待てよ!」
(男、走って女を追いかける)
(男、女に追いつき、後ろから肩を掴む)
「はぁ、はぁ。だから待てって。ちょ待てって」
「離してよ!私アンタなんか大っ嫌いなんだから!」
「離さない!」
「なんで?」
「好きだから!俺、お前のこと好きだから!」
(女、振り返って男の顔を見つめる)
「今、なんて?」
「だから、はぁはぁ、俺は、お前が、好きだ!」
「…。」
「キス、しようか?」
「…いいよ」
(男と女、キスをする)
(久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」が流れ始める)
(完)