「アストロノーツ」 『Fate/Grand Order』:創作のためのボキャブラ講義53
本日のテーマ
題材
謎のアストロノーツ「危ナイ トコロ デシタネ ミナサン。デモ イケマセン ヨ? アンナニ戦力差 ノアル バトル ナンテ。」
マシュ「せせ、先輩、この方は、この方は――」
主人公「いやBBでしょ」
意味
アストロノーツ astronauts
宇宙飛行士を指す英語アストロノート(astronaut)の複数形。特にアメリカの宇宙飛行士を指す。
解説
作品解説
日本で長く続き、かつ有名なスマホゲームタイトルのひとつであるのがFGO。プレイヤーは古今東西の偉人を元にしたキャラクター「サーヴァント」を使役して世界を救うために戦う物語である。
9周年を迎えた本作の恒例夏イベントは2030年のドバイが舞台。しかし前科のあるラスボス系後輩ことAI系サーヴァントBBの企画したイベントだけあり、多くのプレイヤーは最初から身構えていた。というか今回の夏イベントは奏章との組み合わせだとは知らされていたので……。
物語世界における重要な儀式「聖杯戦争」において召喚されるサーヴァントのクラスは決まっている。それ以外のクラスはエクストラクラスと呼ばれる例外なのだが、主人公たちはその例外を使い続けたため、一度精算を要求されることに。第二部七章が終わり奏章に入ってからはアルターエゴ、アヴェンジャーとエクストラクラスとの関係性を再設定する物語が続く中、第三章ではBBたちが所属するクラス、ムーンキャンサーに焦点が当たる。
紆余曲折あり2030年のドバイではなく3017年の月面都市ムーンドバイへと引き込まれていた主人公たち。主人公が契約するBBとは別世界の存在であるBBドバイによって窮地に立たされ、BBもより上位の存在であるBBドバイには太刀打ちすらできず宇宙空間へ放逐されたと思われていたが……。
主人公たちが逃亡劇を繰り広げる中、妙な宇宙服姿になってBBはBBコスモとして舞い戻ったのだった。どういうこと……?
宇宙が舞台!
BBは元々ムーンセルの管理AIであり、月を舞台にした聖杯戦争を描く『Extra』シリーズの登場人物。このシリーズはFGO稼働以前のコンシューマゲームタイトルであり、また異なる世界観を有しているようだ。FGOはこうして別シリーズの放棄されていた設定や途絶していた物語を回収することがあるのでファンには嬉しい反面、FGOだけのユーザーにはややとっつきにくい面がある。
さておき月面を舞台にしたAI主軸の物語ということもあって、BBはコスモになって再登場。BB自体は既に水着パターンが存在するので、BBドバイというさらに別のキャラクター扱いのようだ。コスモはBBドバイの第二再臨、つまり同一人物の成長変化として実装されている。BBドバイとBBは別人では……?
さて便宜上姿を隠すため台詞欄で『謎のアストロノーツ』と呼称された(そしてすぐBBと見抜かれた)彼女だが、宇宙服を着ているがゆえの呼称である。特にアメリカの宇宙飛行士を意味するようだが、まさかBBに国籍はあるまい。
なおアストロノートの他、ロシアで訓練した宇宙飛行士をコスモノート、中国で訓練した宇宙飛行士をタイコノートと呼ぶとウィキペディアに記載があるが真偽は定かではない。資格があるわけでもなく、宇宙に行ったことを条件にするにしてもどこまでが「宇宙に行った」と呼べるのかが曖昧というのはあるのだろうが……。宇宙オタクならさておき、一般人なら宇宙飛行士をすなわちアストロノートと呼んでも問題はあるまい。
情報
『Fate/Grand Order』(2015年7月リリース)