『セクシー田中さん』調査報告と『ACMA:GAME』:創作のための戦訓講義85


『セクシー田中さん』

調査報告が公表

※『セクシー田中さん』のドラマ化において、作者が当初示した原作遵守のラインが守られず、それによって作者に多大な負担がかかった問題について。調査報告が提出される。

※あくまで社内の調査チームによる報告書。

問題しかねえ

※調査の目的からもうズレている。当然、調査の結果導かれるものもズレまくる。

※今回の問題において、一番の被害者である漫画原作者以外は実名がマスキングされている。

※実名を出すことが問題解決に繋がるわけではないが、あまりにも非対称的。報告書の目的が透けて見える。

結局なんで変更したの?

上記ツイートの画像1
上記ツイートの画像2

『ACMA:GAME』

時期的に関連付けられる

※4月から放送中のドラマ『ACMA:GAME』。改変がひどいのでいいかげん原作者も苦言を呈する事態に。

ただし……

※『セクシー田中さん』の件と関連付けられるのは時期的にも致し方ない面はあるが、大半は耳目を引くためのものの様子。

※まあYouTubeのまとめチャンネルなんてそんなもん。

個人見解補足

 『セクシー田中さん』の調査報告についてはまだ読めていないが、そもそもが社内の調査チームであるという点からして考えられるオチがついた、という感じだろう。ドラマ制作側と原作作者、そして視聴者側との断絶がより鮮明になった趣だ。原作者の自殺という大きな事件を通して出してくる報告書がこれの時点で、推して知るべきというところか。

 『ACMA:GAME』は『セクシー田中さん』のように社会性のある作風の改編という問題を抱えてはいない。こちらは単純なクオリティの問題で、その点が原作者に言わせれば問題の構造が違うという話になるのだろうか。

 同じ日テレ系列の、漫画原作のドラマ化ということなので両者を結びつける発想自体は自然なものだ。『ACMA:GAME』ドラマの低クオリティに関する問題も、私の視点から見れば根本的な原因は同じところにあるように思われる。

 『原作へのリスペクト』以前の問題として、そもそも制作側の読解力が低すぎるように思われる。つまり作品に対するリスペクトはなく「この売れてる漫画を使って儲けてやるぜ」と思っていたとしても、商業的に外してどうするんだというところを外しているという問題だ。仮に原作に書かれている社会問題に興味がなかったとしても、原作を使って金儲けをするなら利用して当然の種々の描写や内容を読めていない。だから出てくるものはクオリティが低い。それを「視聴者はこれを求めている」と視聴者を言い訳のダシにするために、自身の読解力の低さは直らないまま次に進む。この繰り返しだ。

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