またしても戦隊露悪パロ『桃の園』と飛び火して話題になる『異世界レッド』:創作のための戦訓講義98
桃の園
発端
※『桃の園』連載開始。主人公が戦隊ヒーロー養成学校に通いながら戦隊レッドを目指す話。しかしこの世界では「女性はピンクにしかなれない」という通念があるようで……。
最初の指摘
※パロディにはそのジャンルの広範な知識が必要という当然の指摘。
具体的なツッコミ
女性はピンク?
※女性はピンク以外にもなっている。
※というかピンク以外でブルーやイエローが割り当てられるのが慣例。
※戦隊自体にはジェンダーバイアスが事実ある。この場合割り当てられる色と、色が意味する役割意識にはやや差異がある。ブルーやイエローを割り振られることが役割としての「ピンク」を脱却したとは限らないということ。
実際の問題
※戦隊……というかそれを撮影する企業にも依然として旧弊的な問題は残っている。
※子ども向けとはいえアップデートがすべて間に合っているわけではなく、制作側がいくらアップデートを頑張ってもそもそも「問題である」と認識していないところは改善されないので、分析の上そこを突けばパロディとしては十分機能したはず。
※演者が差別主義者になったり、性犯罪で逮捕されたり現実の特撮界隈も大変なので、そのあたりを「実際にヒーローがいる世界観」に落とし込むだけで一本書けそう。
※特撮ファンにも問題がある。「女性はピンクにしかなれない」という戦隊ヒーロー観に激怒していたが、まあファンの側も大概っちゃ大概なので……。
どこから出てきた?
※無から出てきた設定。あくまで物語世界ではという話にしても……。
※そして養成学校。
舞台設定か説明不足か
※戦隊モノのフォーマットは舞台設定か? しかしここまで強調してただの舞台設定では済まないだろう。
※あくまで物語世界においては、という想定をするにしても一話の時点で説明がない。
※主人公が立ち向かうべき逆境が「ピンクだから」と戦隊モノのフォーマットに負わされているが、肝心の戦隊モノにはそんな設定はないという問題。
どこから出てきた?
※元はここの企画だった模様。
※元が大喜利の漫画化なので、ズレた想定にズレた想定を重ねていった結果、物語世界が構築されたようだ。
異世界レッドアニメ化
※この手の話題の度に挙げられていた『異世界レッド』アニメ化。
※特撮あるあるネタがかなりの再現度で使われていることが明らかになる。