銃の大きさの具体的指標・『シティハンターの場合』:創作のための戦訓講義72
事例概要
気になったこと
ふとシティハンターネトフリ版のPV見たときに「持ってるリボルバーなんか小さくね?」と思って調べたら演者の鈴木亮平の身長が186センチあった。演出やカメラワークの影響もあるとは言え、186センチあるとパイソンも小さく見える時があるのか……。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) March 21, 2024
まあパイソン自体商品的にはM19とかM586とかのライバルポジくらいの感じっぽいので、イメージよりは小さいってのもあるんだろうが……。
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186センチの鈴木亮平が平均的なマグナムリボルバーであるパイソンを持って小さく映る場合があるのを考えると、そら190センチ以上あるイーストウッドがダーティハリーで44マグナム持つわなという説得力はある。いかつい刑事が小さいマグナム持っていたら様にならん。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) March 21, 2024
※リボルバーの大きさについて。4月公開の日本実写版『シティハンター』のPV中に登場するマグナムの大きさについての言及。
後に
そういえば最近見た実写映画版『ワイルド7』でオヤブンというキャラがパイソンを使っていたんだが、やっぱり小さく見えるなと思って調べたら演者の宇梶剛士は身長188センチあるらしい。でけえ!
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) April 3, 2024
4月に日本実写版シティハンターで冴羽獠を演じる鈴木亮平も186センチなので、それくらいの身長だとパイソンは演出や角度の影響もあるが小さく見える場合が十分あるというのがよく分かる。https://t.co/Uf9MUTXWBJ
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) April 3, 2024
で肝心の冴羽獠は身長が186センチないしは191センチ。なんでアニメ版だと違うって扱いなのかは分からんが、要するにその辺。そう考えると絵的な見栄えもあって、シティハンターがパイソンを大きく描きすぎって側面はありそう。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) April 3, 2024
パイソン自体、他者の競合製品としては次元が愛用するS&WM19とだいたい同じくらいのサイズ感という扱いっぽいので、マグナムリボルバーとしてのイメージで大き目に描かれて印象もそれに引っ張られているっぽい。パイソンの銃身をM19につけるスマイソンなんて改造があるくらいなのでサイズは同じくらい
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) April 3, 2024
次元の身長は178センチくらいっぽいので、身長10センチの差で同じ38口径六連発リボルバーを構えた時の印象が変わるというのがひとつの目安になるかも。まあ次元のほうが基本的に絵なので参考にするのは難しいが。一回り大きいM27使っている場合もあるし。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) April 3, 2024
パイソンの場合、マグナムとしての印象を強める以前に、特徴的な銃身の描写をきちんとやろうとすると結果的に大きく描きがちっていう理由もありそうだな。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) April 3, 2024
ただ実写版の『次元大介』で演じている玉山鉄二は182センチあるっぽいが、銃は普通に大きく見えるな。写真が少ないから分かりづらいし、あの銃がM19という確信もないんだが。まあ小さく見えるってのも演出や角度の都合でたまにって話でしかないが。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) April 3, 2024
あれくらいのサイズのリボルバーが小さく見えかねないラインは身長185センチくらいなのか。身長だけでなく体格も考慮に入れたほうがいいのかな。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) April 3, 2024
※実写映画版『ワイルド7』で主要人物オヤブンの持つ銃もコルトパイソン。やはり小さく見える場合があり演者の身長は180センチ半ば。
各キャラクターと銃のデータ
『ダーティハリー』ハリー・キャラハン刑事
※キャラハン刑事を演じたイーストウッドの身長は193センチと言われている。
※現行モデルでおそらく最もキャラハンのモデルに近いもの。重量約48オンス=約1400グラム、高さ6.1インチ=約15.5センチ、長さ12インチ=約30センチ。
※30センチの竹尺並に長くて500ミリリットルのペットボトル3本分の重量のあるものを持ち歩いていると考えると大変。
『シティハンター』冴羽獠
※『シティハンター』日本実写版の演者鈴木亮平の身長は186センチの模様。
※フランス版シティハンターの演者フィリップ・ラショーの身長は177センチらしく、意外と(冴羽獠役としては)低い。
※公式サイトに記載がなかったがいくつかのサイトから、4インチでおそらく1000グラムより少し重いくらいと推定される。リボルバーとしては平均的なサイズ感。
『ワイルド7』オヤブン
※実写映画版『ワイルド7』でオヤブンを演じた宇梶剛士は身長188センチとこちらも高い。
『ルパン三世』次元大介
※公式サイトによると次元大介の身長は178センチとのこと。
※2014年実写版『ルパン三世』、そして2023年にアマプラで配信された『次元大介』で次元役を演じた玉山鉄二の身長は182センチと少し高め。PVで銃を小さく感じたことはないが……。
※次元の愛銃として有名なM19の公式サイトページ。重量37.4オンス=約1000グラム、高さ5.85インチ=約15センチ、長さ9.87インチ=約25センチ。
※S&W社のリボルバーとしては下から2番目の大きさのKフレームリボルバーであるため、平均的なサイズ。
※ただし当時はマグナム弾を扱えることが魅力だったが、サイズ的にマグナム弾の使用にあまり適していなかったらしい。その辺の話はアニメシリーズPART6『ラスト・ブレッド』でも指摘されている。
※『次元大介の墓標』など一部の作品ではM27を使用する場合も。Nフレームという44マグナムを使用するリボルバーで用いられるフレームを使用しているため、頑丈でマグナム弾の使用に耐えられる。
個人見解
銃のサイズ感というのは厄介で、調べても調べてもピンとこない場合が多い。実写映画のこうした事例を比較することで少しは分かるようになるかもしれない。逆に漫画やアニメでは誇張して描かれるので参考にはできないだろう。
まさに冴羽獠の例だが彼の身長ではパイソンは小さく見える場合が普通にあるはずだ(鈴木亮平や宇梶剛士と原作冴羽獠の身長はだいたい同じくらい)。しかしシティハンター作中で描かれるパイソンは大きく見える。主人公の特徴的な銃であることから大き目に描かれるというのもあるだろうし、パイソンの特徴的な銃身を絵で精緻に描こうとすると必然大きくなることもあるだろう。
イラストにおける銃器サイズの極端な例は『ブルーアーカイブ』で、作中人物たちが持つ銃はキャラクターとしてのビジュアルを優先され実銃のサイズとは違う場合が多い。それでよくコスプレイヤーが難儀するようだ。