『地雷グリコ』漫画版と西尾維新、そして頭脳戦とデスゲーム:創作のための戦訓講義119
『地雷グリコ』コミカライズ
コミカライズ開始
なんと、もう『地雷グリコ』第1話WEB版で読めるようになっております!!是非見てくださいませー!!
— 暁月あきら (@dbmoon_akira) October 10, 2024
ヤングアニマルの方もよろしくお願いします!!
地雷グリコ https://t.co/lx9WLV0P2t
※『地雷グリコ』コミカライズ開始。学園祭での人気出店スペースである屋上を巡って高校生たちがゲームをする物語。
※原作は青崎有吾、漫画版は『めだかボックス』の漫画担当者だった暁月あきら。
頭脳戦漫画っぽさ
地雷グリコのここ、これ絶対作者からのリクエストだよ! ジャンケットバンクやエンバンメイズ、嘘喰いでも見たもん! pic.twitter.com/DDuDO0j9dr
— 班長 (@denkenyusuke) October 10, 2024
『地雷グリコ』の射守矢真兎ちゃんのいちごミルクずずず、獏さんのカリ梅、マフツさんのトントンに並ぶ確定演出になってほしい pic.twitter.com/ELOIrjjwmf
— 平野レミゼラブル@C104日曜東C20a (@28kawashima) October 10, 2024
※『嘘喰い』や『ジャンケットバンク』といった先行作品を通過した本作らしいコミカライズの要素。
めだかボックスっぽさ
読む前「いくら漫画担当がそうでもめだ箱言うのは原作者に失礼だろ」
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) October 11, 2024
読んだ後「想定の十倍くらいめだかボックスだった……」 https://t.co/DS2x09I0a6
ここ長者原融通すぎてダメだった
— John@マ力口2号 (@Jack_O_H_Nielse) October 10, 2024
地雷グリコ 第1話https://t.co/rV0PNaHpj9 pic.twitter.com/D0j9IJ4TcL
漫画地雷グリコの第一話があまりにもめだかボックスで良い意味でずっとめだかボックス思い出す作品になってたのでかつてめだかボックス読んでた人は全員一回ちょっと見に行ってほしいこのめだかボックスを
— ハーメルンのルシエド太郎 (@HamelnFilgaia) October 10, 2024
いやマジでめだかボックスなので(褒めている)https://t.co/sBNjJsoaeb
暁月あきらが何描いても西尾維新原作になるんじゃなくてめだかボックスから出ていた西尾維新臭が暁月あきら原産だったんじゃないかと最近思い始めた
— ペルケン (@orangekirar) October 10, 2024
そら原作西尾維新漫画暁月あきらなんだから『めだかボックス』の「らしさ」の半分は暁月先生が担っている。当然と言えば当然だが意外と気づかないことでもある。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) October 11, 2024
どちらかと言うと原作西尾維新が巷間言われるクセの強さほど漫画に大きな影響を出していないと見るべきか。確かにいろはとめだ箱だと似ているようでだいぶ違うし。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) October 11, 2024
※暁月先生の作風が想定よりもがっつり『めだかボックス』の「西尾維新らしさ」を構成していた要素だったという発見。
ジョジョのパロディ
地雷グリコ第1話
— コリエル (@Coryell_12) October 10, 2024
ジャンプ作家である暁月あきらが『ジャンケン』を題材にした勝負を描くのならそれは当然オーラを身に纏い空中を飛翔しながらジャンケンしなくちゃあならない https://t.co/mgCcA9imxV pic.twitter.com/xhSmrIVdGh
暁月あきら先生は「学生時代、ジョジョがあったから漫画家を目指しました」と公言する人物なので
— Bee3号 (@Ninja_BeeP) October 11, 2024
当然夢が叶った末のジャンケンシーン執筆では、四部よろしく謎のオーラを纏い空高く空中跳躍する。成程な…(?) pic.twitter.com/eKF6SPNiWc
※『地雷グリコ』じゃんけんシーンの飛翔演出はジョジョ4部のパロディ。
※ジャンプ作家でジョジョで育った人なら当然そう書く。
人の死なない頭脳戦
広告の謳い文句
誰も死なない頭脳戦!!(1/10)#マンガが読めるハッシュタグ pic.twitter.com/64zs3yfQVx
— ヤングアニマル公式 (@YoungAnimalHaku) October 11, 2024
※「誰も死なない頭脳戦」と銘打たれた広告のポスト。
頭脳戦=デスゲーム?
このキャッチコピーは興味深い。『地雷グリコ』を「頭脳戦」と評する中に「誰も死なない」ことを明記する必要があると感じる何かがあるわけだ。 https://t.co/Tz1prFLTV9
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) October 11, 2024
「人が死なないミステリ」みたいなもので、死者が出ない、血生臭さが少ないという点が売りになるというのはある。ただミステリが殺人を主題としがちであるのに対し、通常「頭脳戦」それ自体に人死の可否は反映されていないはずだが。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) October 11, 2024
これには「頭脳戦」がほぼ=デスゲームと同様の扱われ方をしているのではないか、という見方ができそうだ。一般的にゲームで登場人物同士が競うとそれはデスゲームの様相を呈するという認識。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) October 11, 2024
実際パッと思い浮かべる「頭脳戦」の大半は命が掛かるか、実質死んだも同然みたいな負債を負わされるかが敗者に生じるので、この認識になるのもまあ納得ではある。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) October 11, 2024
以前見た『ACMA:GAME』のドラマ版もおそらくこの頭脳戦=デスゲームという認識が失敗の原因だった。ジャンル外の人間がざっくりそういう認識を持つのは当然だが、制作側がその程度の認識でドラマ化して成立するはずもなし。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) October 11, 2024
個人見解補足
「人が死なないミステリ」という文言があるように、特定のジャンルにおいては人が死ぬ、血生臭さがあるのがデフォルトで、ゆえにそれらの要素が薄くある種のハードルが取り払われた状態が売りになることがある。今回の『地雷グリコ』コミカライズにおける「誰も死なない頭脳戦!」というコピーもそうした側面があるだろう。
しかし通常、「頭脳戦」それ単体には人の生き死にを明確化する要素はない。いわばフラットな状態だ。ただこれは単語単位での発想とも取れ、例えば「ミステリ」は単語としては「謎」という意味だが物語ジャンルとしては「主として殺人事件の真相を追う物語」と、人死を前提にした定義付けができるだろう。
物語において「頭脳戦」が繰り広げられる時、それは大抵お互いの生命がかかったものになりがちだ。命そのものを取り合うこともあるし、そうでなくとも負ければ実質死んだようなペナルティを課せられることも多いだろう。そういう意味でこのコピーで用いられる「頭脳戦」とは額面通りの「頭を使った戦い」という意味ではなく、ジャンルとして生死のかかった知恵比べを意味していると考えるのが妥当だろう。ゆえに『地雷グリコ』では一般的に生命がかかる頭脳戦とは違い、そこまで深刻なものではないという目配せとして「誰も死なない」という文言がつくわけだ。
そして大抵の場合、頭脳戦と呼ばれる物語はデスゲームかそれに類するジャンルに終着しがちだというのも大きい。特に漫画ではその傾向もあるだろう。最もデスゲームも頭を使うコンゲームスタイルのものと、どちらかといえばサバイバルホラー、パニックホラーの類もあるため「頭脳戦」と一括りにするのも適切ではないのだが。