見出し画像

年末年始を経て今の会社を辞めたくなっている若者たちへ

 成人の日ってことで未来の話を。
 個人的に少子化っていうのは非常に大問題だと思ってまして。その理由っていうのはもちろん国の競争力が落ちるだなんだっていうところはあると思うんですけど、なんか最近の若い人は〜とか言いたくないんですが、やっぱり少子化の影響でライバルが少なくて競争をしてないなっていうふうに感じることってのが結構増えてきてまして。
 自分たちの若い頃はって言うのもちょっと嫌なんですけど、だけど僕が学生でバイトしてた頃、25年ぐらい前ってまだバイトでも競争っていうのがあって、面接なんかもう、ピザの配達アルバイトとかハンバーガーチェーンのアルバイトとかでも、もう何倍とか下手したら10倍以上の倍率の中でバイトの面接の勝負をする、みたいな。なので、もちろん茶髪ピアスとかは減点というか駄目だったし、ピザ配達のバイトのときにクリスマスにシフトに入れませんって言った子とかはクビになったりとかしてて。
 でも今ってクビにするとかもっての外で、むしろ少子化で次のバイトが見つかりにくいからご機嫌とっていかなきゃいけないような時代じゃないですかと。バイトの広告だってそうじゃないですか、何か好きなことを仕事に、とか、バイトで友達を作ろうよ、みたいなものが多いんですけど。僕らのときって普通にお金が欲しい、遊びや生活のためにバイトするっていうのが多かったわけですけど、高い倍率を通過して採用されて。そんな時代のバイトっていうのは、何かこう、バイトといえども仕事だろうっていうスタンスで正社員の人とか先輩の人とかから指導されるわけですよ。
 バイトする側も「俺バイトなんで適当にしたい」みたいな姿勢っていうのは、逆にかっこ悪いなっていう時代だったんですね。バイトのことを仕事って呼ぶ学生がいたりとか(笑)。なので先輩とか社員の人たちとかエリアマネージャーの人たちも結構バイトに対して本気で仕事というスタンスでぶつかってきてくれて。
 そこでなんとなく世の中に出る準備をしたのを僕はちょっと覚えていてですね。変な話、愛情以外でお金を受け取る、払ってもらう初めての経験が、多分バイトなんですよ。なので、世の中でお金を稼ぐっていうことはこういうことなんだなとか、世の中でお商売されてる方々っていうのはこういう感覚でやってるんだなとかっていうのをなんとなく学んだ。

バイトするなら大人のサンプルがたくさん見れる大手企業がオススメ。


 あ、ここでポイントがあってですね、僕は非常にありがたかったのが、学生時代に当時のですねマイカルグループ、今で言うイオングループのショッピングモールでアルバイトさせてもらってたんですね。そこが非常によかったなと思うのは、普通のその前にハンバーガーチェーンとかでもバイトしてたんですけど、そこも良かったんですけど、あのハンバーガー屋さんとかでアルバイトをしていると、接する正社員の方っていう1人か2人だったりするわけですよ。たまにエリアマネージャーみたいな人が店に来るとかせいぜいそのぐらいなわけです。
 だけどショッピングモールでバイトをするとですね、もう周りに大人の正社員だけなんですね。もっと言うと、当時のマイカル今のイオングループなので一応というか、もう名目名実ともにというかですね、一部上場企業なわけですね。その一部上場企業にちゃんと就職していらっしゃる大人の人たちの、ちょっと言い方失礼ですけどサンプルと言ったらおかしいですけど大人像のサンプルが目の前にいらっしゃって。
 当時僕はタバコ吸ってたんですが、当時はまだタバコの吸う人も多数派だったので、喫煙所なんかに行くともう常に5人10人のその大人たちがいるわけですね。その中では結構本音トークが聞けて。なんか社会に出る予行練習みたいな、大人ってこんな感じなんだとか、働くってこんな感じなんだ、大手一部上場企業の正社員ってこんな感じなんだっていうものの一部を垣間見ることができて。
 その方々に飲みにも連れてってもらったしそういうところでやっぱり社会に出るお行儀とか、学校では教えてもらえないような社会のルールブックに書いてないルールとか、そういうものを叩き込んでもらったというのを覚えています。
 なので、もし今アルバイトを探されている学生の方いらっしゃったら、なるべくね、そういうある程度の選考を通った会社の正社員、大人たちがいる環境を選ばれるとすごくいい勉強になるんじゃないかなと思います。

社会に出る予行練習ができずに就職する若者たち


 そういうところでやっぱり厳しく、もう別にね、お前なんかいつもクビにできるぞって言ったらおかしいですけど、もう当時はね、僕なんかクビにしてもすぐ次見つかりますから、そんな中でやっぱり厳しく接していただいた予行練習っていうのが、その後、社会に出ても非常に役立ったなというのがあるんですけども、今は少子化でしょ。最初の話に戻りますけど、結局アルバイトの子たちについても辞められたらその正社員の人の点数が本社から下げられるみたいなことがある状況下で、昔と同じように厳しくできるかって、それはもう絶対に出来ないわけですよ。
 そうすると、親からは愛情たっぷり育てられた、これもまた少子化の影響なんですけども、兄弟が少なかったらやっぱり愛情ってすごく注がれますよね。別に兄弟多いと愛情が少ないって意味じゃないんですけど、やっぱりそこでの兄弟間の生存競争ってほとんどなく、1人2人の兄弟で育ってくると、すごく愛情たっぷりに育てられていきますと。
 さらにバイトに出ても甘やかされて「辞めないでね。お願いだから続けてねっ。」なんてことを言われながら「茶髪好きにしたらいいよ。ピアス好きにしたらいいよ」「え?クリスマスに彼氏と彼女とデート?じゃ、あの、社員の僕らが出るから安心して」みたいなことを言われてですね。
 そんなアルバイトを過ごしてきて、いざ、就職したら突然そこでですね、社会をなめるんじゃねぞとかですね、社会人とは!みたいなことを言われてですね、いきなり社会の壁にボーンとぶつかるわけですね、予行練習もなしに。そこで、何かこう嫌になって辞めちゃうみたいな子たちってむちゃくちゃ多いと思うんですよ。だからすごく何かそういうのはかわいそうだなというか。
 さらには社会自体は不景気なわけです。日本社会全体が不景気だし、ジリ貧だし生産性も上がらず非常に国際競争力も落ちてきてるわけですから、それこそ昔より社会に出れば厳しい荒波が待ってるんですけども、そこに放り込まれるまでの中では、実はハウス栽培のように甘やかされて育ってきてるわけですから、そのギャップって僕たちの時代よりも遥かに激しいんじゃないかなと思ってまして。
 何かその辺りっていうのをもう少し調整できないもんかなというか、ある程度社会に出る予行練習というのをどっかでさせてあげないといけないんじゃないかなと。そう思う機会っていうのが僕も経営者の端くれとして思う場面が増えてきました。
 その中で、もう限界に来てるんだろうなと思うのは、やっぱり新卒一括採用主義。この新卒一括採用主義が結局、社会の予行練習なしにいきなり社会に飛び出す若者たちを増産しているわけで。昔はそれで良かったと思うんですけど、もう今はそういう世の中でもないしそういう時代でもないんじゃないかなというふうに改めて思うわけですね。
 ちょっと新卒一括採用主義についての話とかはまた今度にしたいと思うんですけども、そういった意味でですね、ぜひ今お子さんがいらっしゃる方とかですね、後はご自身が学生さんとか、これから社会に出る人たちっていうのは、ぜひですね、自分を甘やかさないような厳しい環境の中で、社会に出る予行練習としてのアルバイトとかっていうのを積んでもらえたら、社会に出てからのスタートダッシュっていうのが切れるんじゃないかなと思ってます。

今、会社を辞めたくなっているあなたへ


 そして予行練習なしにですね、世の中に入ってきてしまった人たちっていうのは、20代で就職して1年とか数ヶ月とかで逃げ出したくなる壁が絶対出てきます。もう辞めたいなと思う瞬間が出てきます。けども、それはあなたがたが本来は高校生とかで大学生とかのバイトで乗り越えなければいけなかったカメラと思ってですね、ぜひ乗り越えていただいてですね、もうあの石の上にも3年ってよく言ったもんです、3年ぐらい続けないと仕事っていうのは面白さが出てきませんから、3年まずはやってみようというのは、何かその考えは古いよとか、聞こえてきそうですけど、僕はこれは鉄則だと思います。なのでまず3年、是が非でも頑張ってみてください。
 この3年というのも実は理由があって、1年でようやく仕事のね、なんか上っ面のところというか、作業的な部分ってのをちょっとだけ理解できるんですよ。それで1年目で失敗したこととかいろんな反省を2年目で改善にトライしてみるんですね。PDCAのPlan,Doが1年目。Checkが2年目。3年目でAction、ようやく、何か一つの自分の中での仕事の型みたいなものが綺麗に1年間、自分の中でもちゃんと準備して、1個1個の仕事に向き合ったなって思えるのが3年目になるわけです。その3年の周期を回さない限りは仕事したって言えないんですね、実は。
 もっと言うとその3年を超えると実はやれたような気になっていた仕事っていうのは全仕事の中のごく一部だったってことに気づいてですね、また辞めたくなるんですけども。それを繰り返しながら大人になっていくって意味で何か3年がワンパッケージみたいなところっていうのは、結構昔の人が言ってたのは真実だなと思うんですよね。
 ぜひですね、社会の壁にぶち当たったらまずは3年というところをですね、思い出してやってもらえたらいいんじゃないかな、なんていうことを思ったりしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?