インド一人旅 11
昼ごろバンガロールの中心地に戻り、
チケットを購入し西インドのムンバイへ。
バンガロールからムンバイへは3acクラスで
約24時間の電車移動。ちょっとながいけど、
これも残り少ないと思うとなんだか寂しい気持ちになる。
列車のゆっくり走ったと思ったら急にスピードを上げて、思い出したかのようにまたスピードを落とす気分屋さんの感じも、ベットが小さくて少し窮屈なのも良いんだよな。インドの列車にも愛着が沸いていたことに気がつく。
初めから便利無ものにはない、不便さの中にしか湧かない特別な愛着ってあるもんだな。
バンガロールからだと、ムンバイの中心地には止まらないので、20キロほど離れた駅に下車。
駅出て歩こうとしたらミールスの屋台を発見。
ご飯がなくなると器用な手つきでご飯とサンバル(ベースになるカレー)もよそってくれる。
どこで食べてもハズレがなく、
安くてお腹いっぱいになるミールズは南インドの旅の相棒ともいえるだろう。
ムンバイは南のインド洋に近いところが栄えており、自分が滞在するホテルは20キロくらい北上したところ。基本的に中心部は高級ホテルなどでいっぱいので、安宿は都市近郊か、ローカル電車とメトロを乗り継いだ場所に点在している。
無事にチェックインをし、メトロでローカル電車とメトロを乗り継ぐハブの役割を果たす
ガトクーパー駅に移動し、そこからローカル電車を使ってムンバイ中心地へ。
ムンバイのローカル電車は夜になると凄い勢いで混む。どの区間でも10円ほどで乗れて、中心地で働く人、学生をつなぐ大切なインド人の大切なライフラインのひとつだ。しかし、電車は満員電車のレベルを超えて、人が車内からはみ出た状態で発車をするので、1日10人ほどが亡くなっているらしい。
ムンバイの近郊電車は
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス
(ヴィクトリア)駅が終点となる。世界遺産にも登録されているヴィクトリア朝のゴシック・リヴァイヴァル建築とインドの伝統的建築の要素が組み込まれており、煌びやかな建築物だ。
観光地に向かう途中、
「ヘイブラザー腹減ってるだろ、食ってけよ」と陽気な声が聞こえてきたので、
覗いてみるとパン屋さんだった。
ムンバイの観光地、インド門へ。
1911年にイギリスのジョージ5世の来印を記念して作られた植民地主義の象徴となる建造物。その向かいにはアジア最高のホテルとも言われるタージマハルホテル。
珍しそうな俺にセルフィー撮ろうとみんな寄ってくれる。特に断る理由もないから一緒に撮ったりすると、中にはこんな人達もいる。
「ねね韓国人?」
「ううん、俺は日本人だよ」
「じゃあいいや!」
「……….」
この会話この旅行通して20回はしてる。
ヴィクトリア駅に戻り、ローカル電車へ。
ローカル電車の切符を買いのりこむと昼とは打って変わり、想像した通り超満員電車。
満員電車なのはいいんだけど、左と右どっちが自分の降りる駅でホーム側に着くのかわからない。着いた時にはこの満員電車の量はさばけそうにないなぁ。なんてことを思ってキョロキョロしていると、
「お前どこで降りるんだ?」
「ガトクーパーなんだけど、どっち側いればいい?」
「俺も一緒だから降りてやるよ」
たまたま隣にいたインド人が同じ駅で降りるみたいなので、助けてもらった。
—————————————————————
ゲストハウスで目覚めた。
朝ごはんを食べよう。
ここはモーニングのサービスあるみたいだから、レセプションに聞いてみると
「そんなのはないね」
「いやー、書いてあったからここ泊まったんだけどな。別にいいけどさ」
「ちょっと待っててくれ」
10分くらい待っていると
近くの店でサフランで炊いたご飯をだしてくれた。めちゃくちゃ美味しかったと同時に、
少し申し訳なかったけど、まぁ言って食えたからいいか、というか書いてあるからもらっていいだろ、なんて少し図太い神経が顔を見せる。
ドビーガートへ。ムンバイの都市から西に数キロ離れたところにある、屋外洗濯場。
ドビーガートはムンバイ中のホテルや病院などから集められたリネンを洗い、乾かして宅配されており、世界一の洗濯工場だ。
お昼ご飯の時間になった。ミールスたべてえなぁと思って調べると、MATUNGAというエリアが南インド人の人々が多く住む場所であり、そこに美味しいミールスがあるみたいなので、
電車で20分ほどのところのMATUNGAへ。
駅のすぐそばのミールスをやってる南インド料理屋さんへ。多分これが最後のミールス。
おいしかったーーー。
ココナッツジュースを飲んで、
ムンバイ空港へ。
空港付近に着き、歩いて向かってると、
警官に止めらる。
「にいちゃんどこ行くんだ?ここ空港だぜ」
「あぁわかってるよ、これからデリー行くんだ。」
「歩くのはいいけどこのエリアは車だけだよ、
ちょっと待っててな」
そうすると警官は通りがかりの一台のトゥクトゥクを止め、中の乗客に相乗りをお願いしてくれた。
一緒に乗せてくれたインド人は綺麗なスーツを着た人で、学生バックパッカーの俺に
笑顔で話しかけてくれた。
空港に到着して、
「いや、俺も乗せてもらったから払うよ」
と言うと、
「そのお金で自分の経験と知識にしなさい。
いい旅をしてね」
と笑顔で言ってくれた。
電車を使ってもよかったんだけど、ムンバイ空港はインド最大都市の玄関口なだけあり、とても綺麗で内装が素敵ということなので、フライトチケットを土壇場で入手。
チェックインを終えて、
待合ロビーでぼーっとする。
あぁ、もう旅も最後の方に来てしまったな。
意外とあっという間だったな。
ムンバイに来る予定はなかったけど、
自分が予想を立てたところから離れるように、でも結果として目的地は同じみたいな、
不思議な感覚だ。
これがいわゆる自由なんだな。
最後の目的地は最初の到着した、デリーへ。