2023

朝起きてキッチンに向かい、パンナイフで固いフランスパンを適当な厚さに切り、トースターに入れる。
その間にホットチョコレートとオレンジジュースを用意する。
2枚ほど食べ終えた後、彼が起きる。
「よく寝れた?今年はきっといい1年さ」

今年1年を振り返ろうと思い出すと、
あの朝食を思い出す。


①自分の地図にピンを刺す

コロナ前に行こうと思って行けなかった国、
会いたかった人、感じたかった空気に触れられた。これらは自分の宝箱に、一つ一つ大切にしたいものを入れていくような経験だった。またいつか行けるといいな、
なんて空港から出る時に思ったけど、
きっとそれは遠い未来の話ではないような気がしている。


②ずっと埋まらなかった部分

多分、ここ7〜8年くらいはずっと辛かったんだと思う。認めたくないが、その辛さに向き合う気はなく、その場凌ぎに適当に逃げていた。
緊張からか、逃げたい気持ちか、前日の送別会ではしっかり記憶を飛ばすまで飲み、挙句の果てには吐いてトイレで動けなくなり後輩に送ってもらった。
2日酔いの頭痛からバスに乗り込む。
窓から流れるように見えた高校生まで住んでいた景色は、この日ばかりは時間を巻き戻したような感覚で眺めていた。そして、こういう時に限ってTumblrで何年も前に書いた言葉がチラつき、吐きそうになる。幻夢のようだ。

わざと遅れて行った。
自分の苗字での予約はなくて、
旧姓で再度尋ねてみると案内された。

これが良いきっかけのひとつ。
悪いきっかけ、これで終わりもひとつ。
自分の両手に 確実に選ぶことのできる未来を渡されてる状況になると、
自分がどちらを選ぶのかも、何もわからなかった。

案内された個室席で7〜8年ぶりに見た姿は、
その期間はっきりと誰にも感じることのできなかったずっと忘れていた安心感と、懐かしさが同時にやってきて、涙が止まらなかった。
話してみるとこの瞬間を待っていたのは
俺だったのかもしれない。
綺麗に頬を伝う姿はあなたそのものでした。

人は不思議なものであんなによそよそしい他人同士は、会話をしていくうちに、心かゆい距離感は残るけど、笑顔が出る瞬間は少しばかりあった。それだけでも良かったし、この事実は救われた。
最後は少しだけ、あの頃に戻った気がした。
ずーっと何もない中を歩いて、自分なりの正解を掴めなきゃ幸せにはなれないと本気で考えていたけど、
結果も自己肯定感も辿り着けばあった。

許せないことも、許せなかった事実も、
傷ついたこと、傷つけたことも
ずっと大事にしていきたい。
空いた穴は 埋まった気がした だけで今はいい。


③ 考える 時間が増えた

社会人生活はずっとボコボコにされた。
5月、乖離がすごかった。
配属された先も、チームも想像と違った。
自分の当初描いていたロードマップからはあまりにもかけ離れた場所だった。描けるように地図を選んだはずが、それはまるで見当違いだった。
今も正直な話、その気持ちはずっとある。
もしかしたら、がずっと駆け巡っていた。

あの日は、品川に向かう新幹線を2本逃した。あまりにも形に残らなすぎて、何もやってなかったことになっている気が堪らなかった。
責任感も持てなかった。ひとえに責任感がないというのも、説明は難しく、責任感のある自分が見つからない、というのが正しい表現だった。

しかし、それもここまで。
ここ4ヶ月くらい、まさに自分じゃない、
自分らしくない、だった。
もっとシンプルに、部品が取れても走って大破する車のような、そんな気持ち。

④期待すること

それでも、信じることはやめない。
矢印はいつも自分。
自分に目を向けて、腹の奥の深淵をみつめる。
自分らしくいられないのであれば、創る。
準備ができた瞬間に不満も不安もなくなるよ。

————————————————————

おれは、今年何回ショートケーキのイチゴを
初めに食べれただろう。
何回自分の期待を越えれただろう。
自分自身を満足させるために、
目の前に向き合う、伝える。懸命に生きる。
そしてそれを続ける強い意志を持つ。

目的地はちょっと先の自分の理想。
この瞬間があの時の目的地だって思えるよう。
賭けないなら降りる。
素晴らしいこと、瞬間は簡単には来ない。

とんでもない混沌の中を
目的だけを片手に歩く。
自分が好きな自分はそういうとこでしょ?

2024年:しなやかさと逞しさ

いいなと思ったら応援しよう!