あなたの犬が怖がりな犬ならば、他人から守ってあげることも必要。
あなたの犬が怖がりな犬ならば、他人から守ってあげることも必要。
「他人が怖い、他犬が怖い」というわんちゃんと暮らす飼い主さんであれば、お散歩に出かけたときに愛犬にどのように対応したらよいかと悩むことがあるかと思います。
ですが愛犬に対応すること以上に必要なことは、出会う人が愛犬に関わることで怖い思いをさせないよう、他人から愛犬を守ることです。
ここでは他人から愛犬を守るために、どんな対応が必要なのかを説明していきたいと思います。
■犬が怖がる「犬好きな人たち」
「犬好きな人」と「犬をよく知っている人」とは別物で、犬の様子や反応を見ながら関わることができるかというと、出会う人みんながみんなそうではありません。
本当であれば、少し遠巻きに犬と飼い主さんの様子を見ながら関わってきてくれる方ばかりだとよいのですが、そうもいきませんよね。
とはいえ、そういう方も悪気があって、怖がらせようと思って近づいてくるわけではなく、純粋に犬が好きで可愛がりたい、関わりたいという気持ちで近づいてくるのです。
怖がっている犬に対して「ほらほら、行きなさい!」と強制的に人と関わらせようとすることは論外ですが、そんな時、飼い主である私たちが犬に変わって言葉にして、近づいてほしくないことを伝える必要があります。
怖がりな犬を持つ飼い主さんは、他人に近づかれることで、犬が吠えたり噛みついたり、かかって行ってしまうことを心配するあまり、近づいてくる人に対して焦りを感じたり、必要以上に悪い印象を持ってしまいやすいのかもしれません。
でも実際は知らずによかれと思って近づいてくる人がほとんどなので、スマートにやり過ごしながら愛犬を守ることができれば、みんなにとって良いのではないかと思います。
■怖がりな犬を連れている時に、トレーナーがしていること。
怖がりな犬に他人が近づいてきたとき、犬が吠えたり、噛みついたりしてからの対応だと、犬にも良くない経験を積み重ねてしまうのでそれでは遅いのです。
他人がこちらに近づいてきたことに気づいた時点で、トリーツ(おやつ)をかじらせながら、「すみませ~ん。この子知らない人が苦手で吠えてしまうんです~。」と笑顔でお伝えします。
犬を近づけてくる飼い主さんには「すみませ~ん。この子他のわんちゃんが苦手で吠えてしまうんです~」と笑顔でお伝えします。
犬に対しても「ごめんね~!」と一言声をかけてあげると飼い主さんの印象も良いままでやり過ごすことができます。
大概の方は「そうなんですね!すみませ~ん!」といって笑顔で去ってくれるので「ありがとうございま~す!」とまた笑顔でお応えします。
この間犬にはずっとトリーツをかじらせたままです。
近づいてくる人に対応している間に、吠えたり噛みついたり、余計な経験をさせないようにというのはもちろんですが、犬の注目や集中をこちらに向けて固定しておくことで飼い主も落ち着いて余裕のある対応ができるようになります。
近づいて来た人が離れてくれて、犬が気にする様子がなくなったら食べ続けさせていたトリーツを引き上げても大丈夫です。
■良い印象を持っていてもらうことも大切
犬を飼っている人もそうでない人も、お互いに良い印象のままやり過ごすことができるのが理想です。
特に犬を飼っていない方が、「犬を飼っている人ってなんか感じ悪い」と思ってしまうと、マナーや吠え声などに対しての見方も厳しくなってしまいます。
犬が苦手な人もいる社会で犬と暮らしていれば、100パーセント周りに迷惑をかけずに過ごすことなどできません。
だからこそできるだけ、犬と暮らす人は周囲の方への思いやりと暖かい関わりを意識していたいのです。
犬の問題といわれることのほとんどは、結局は人間同士の問題。
犬たちはそのことに気づかせてくれる存在でもあると思っています。