自分を「お笑い芸人」好きにした、「オンバト」と「内P」の話。
「#好きな番組」
noteでお題募集中のハッシュタグにこちらのタグがあったので、自分の好きなテレビ番組について書きたくなりました。
”今の自分が好きなテレビ番組”と言うよりも、昔好きだったテレビ番組について、ちょっと書いてみようかなと思います。
自分の好きなもののひとつに「お笑い」があります。
ただ、その実「お笑い芸人」の方々が好きなんだろうなと思います。芸人さんたちがわらわらと集まって面白いことをしていたり、自分の人生を賭けて漫才やコントの賞レースに挑んだりする姿を、お笑い番組を通して観るのが好きなんだと思います。
お笑い番組をよく観るようになったのは、ちょうど2004年頃の「若手お笑いブーム」が始まった頃。当時自分は小学6年生で、民放が2局しかない地元で生活していました。
それまでは「笑う犬の冒険」や「とんなるずのみなさんのおかげでした」といったテレビコント番組が主流だった記憶ですが、この頃になると「エンタの神様」や「笑いの金メダル」というネタ番組が隆盛期を迎えます。ショーケースと化したステージ上で、若手芸人の方々が次々と漫才やコント、ピンネタを披露していく姿は、当時の自分にはポップなものとして映っていたのだと思います。
そんなネタ番組の中でも自分がひときわ好きだったのは、NHKの「爆笑オンエアバトル」。先述の「エンタ」や「笑金」がゴールデンタイムに華やかな装いで放送されていたのに対し、「オンバト」が放送されるのは深夜の時間帯。ステージセットも上述の2番組に比べるととりわけ質素でした(番組終盤前は華やかになった記憶ですが)。
番組のルールもなんともストイックで、10組の芸人がネタを披露し、オンエアされるのは審査員の投票により決まった上位5組のみ。出演しても放送されない人たちがいました。投票の仕方も、客席に張り巡らされたレーンにゴルフボールを流して、ステージ前に設置したバケツに溜めるというもの。審査はその重さ(キロバトル:KB)を用いて行われ、満点は545KB。当時は全くそんなこと考えずに観ていましたが、いま振り返ると地下闘技場を思わせる、質素な構成とストイックな番組コンセプトに惹かれていたのだと思います。
そして、自分が観始めた2004年度は、番組内でも世代交代が始まっている頃でした。2003年度のチャンピオン大会を機に、それまで何度もオンエアを重ね続け、番組を盛り上げていたアンタッチャブル、アンジャッシュ、スピードワゴンといった強豪が次々と卒業し、次世代の人たちが出てきました。三拍子、ハマカーン、タイムマシーン3号、流れ星(現:流れ星☆)といった人たちが強かった記憶です(みんな漫才師だな…)。深夜まで起きていられなかったので、VHSに撮ったものを翌朝観て、面白いネタがあれば次の週の放送まで何度も観ていました。
それほどに好きだった「オンバト」も2009年度の放送をもって終了しました。当時の自分は高校2年生。小6の頃に観始め、なにかと多感な中学生~高校生の時期にもずっと側にあった番組でした。自分の中で「お笑い」に対する価値観を醸成するために、きっとひと役買っていたのでしょう。
後継の番組として「オンバト+」が始まりましたが、こちらあまり観ていなかった記憶です。きっと、それまで好きだった芸人さんが卒業していったことも一因ですが、ちょうどこの頃に携帯電話を買い与えられたことで、自分の趣味・嗜好がテレビから別のものに移り変わったことが根幹にあったのかな、と今にして思います。
あと、どうしても外せないのは「内村プロデュース」(以下:内P)。
個人的に、深夜バラエティの面白さに触れたのはこの番組が初めてでした。こちらも初めて観たのは「オンバト」と同じく2004年頃。確か、ゴールデンスペシャルでたまたま見かけたのがきっかけです。
黒いサングラスに黒いスーツ…プロデューサー然とした格好の内村光良さんが、『○○をプロデュース』と名打って、他の芸人さんたちと様々なお題にチャレンジしていく番組。フリップ大喜利やシチュエーション大喜利、即興で芸人を笑わせる『笑わせ王』など、即興性が求められるコーナーが多かった印象です。
この番組の特徴だったと思うのは、『早さ』と『勢い』。フリップ大喜利についてですが、「IPPONグランプリ」などを観ていても都度お題を言い直してから回答を出すスタイルが主流と思いますが、内Pのフリップ大喜利はそれが無く、思いついた人が次々と回答を出していくスタイルです。だから他の大喜利には無い独特の小気味良いテンポがありました。
また、「笑わせ王」では置かれたシチュエーション内に存在するバナナマンのお2人や有吉さんをなんとか笑わせようと、挑戦者たちがあの手この手を繰り出すのがすごく面白かった記憶です。時には無茶しすぎて怪我してしまうこともあり、さまぁ~ず三村さんもこの企画で足を負傷していました(その後、負傷した状態で有吉さんを笑わせにいくのもまた面白かった)。
余談ですが…
内PのWikipediaを見て、過去にさまぁ~ずの三村さんと有吉弘行さんがTwitter(現:X)上でこんなやり取りをされていたことを知りました。
どうやら、いま日テレで放送されている「有吉の壁」にもこの番組のDNAが受け継がれていそうですね。嬉しくなりました。
そんな感じで「好きなテレビ番組」の話をしてきました。
20年ほど前のテレビ番組なのに、今もこうしてあれこれを鮮烈に覚えているのは、きっと当時の娯楽としてテレビが一強だったことも影響しているのでしょうね。
今はインターネットも発達して、娯楽も多様化しました。色んな人たちが好き好きに発信でき、受信する側も好きなものを選べる。多様性の時代ですが、そんな中でも、多くの人がひとつのモノに釘付けになっていた頃をふと思い出すことがあるなと感じたのでした。
追伸:
ヘッダーにしているのは「マンスリーよしもと」という、かつて吉本興業から発行されていた雑誌です。
テレビ番組の話とは少し逸れますが、お笑い芸人好きだった当時を象徴するアイテムかなと思い選んでみました。