見出し画像

追憶島、船、プラットフォーマー

久しぶりにゲームをプレイしながら大泣きしたので書く。と言ってもここ最近は「FF16」に「AC6」と新作も粒揃いシーズンだったので都度泣いちゃあいるのだけれど。『十三機兵防衛圏』以来の読後感とカタルシスに、完全に予想を裏切る形で情緒をめちゃくちゃにされたので、今回は4〜5年ほど前に買ったまま積みっぱなしにしていた『The MISSING -J.J.マクフィールドと追憶島-』が最高だったという話。
そも「LIMBO」「INSIDE」みたいなプラットフォーム・ゲーム(いわゆる横スクロールアクション)が元々大好きなので見かけたらついつい買いがち。とはいえ「泣かされる」とは思っていなかった。泣いた泣いた。ボロ泣きした。

仕事が忙しくて帰りが遅い時期になるとがっつりゲームをする/世界に没入する、ということが肉体的にも精神的にもしんどいので、そういう時期は「ちょっとだけ遊んでいつでもやめられる」気軽なゲームをプレイする。買ってはみたけれどちゃんと遊んでない積みゲーたちを消化するのもこの時期で、つい先日『ファー: チェンジング タイド』をクリアして「さぁ次はどれを手に取ろうかな」と思っていたタイミングでの出来事。

これもなかなかよかったです。リソース管理マルチタスクゲーなのでシンプルではないかも。

疲れてるけどちょっと現実逃避したい、気を紛らわせたい、リラックスしたい時に手に取りたいゲームはどんなものか。

・牧歌的もしくは退廃的な世界観
・シンプル操作
・難しすぎない
・劇伴(BGM)がいい

自分にとってはこの辺り。

FF14も日課としてログインはするけれど、フレンドに捕まったり日々のタスクを消化しようと思うとそれだけでは時間が足りないので繁忙期は避けがち。
ちなみに僕は24時に寝て7時に起きる超朝型ミュージシャンなので、次の日が休みじゃない限り夜更かしはしない派。
そんな感じで「次は何やろっかな〜」と思っていた折に目についたのが『The MISSING』で、これがもうとんでもない大当たりだった。もっと早くプレイするべきだった・・・。

ジャケットとタイトルに惹かれて買った。引きが強いデザイン。

横スクロールのシンプルゲー=いつでも遊べる、という認識で隅っこに追いやっていたのを心から悔いる。こいつはとんでもない。

ゲーム起動時に最初に出る画面。

もうおもしろい匂いがする。

僕は涙腺が緩い。いわゆる”涙もろい人”という評価軸の最上位に居る。神様が僕を作る時には、きっとロクにベータテストもせずに涙腺パッチを実装したんだと思う程度には、色んなことですぐに泣く。
どんなに微妙な映像作品、どんなクソゲーでも、終わり方さえ良ければ泣いてしまう(許せてしまう)節があるので、作品そのものへの評価とは別に感動体験が散りばめられている”惜しい”タイトルをいくつも愛でてしまう。

本作The MISSING -J.J.マクフィールドと追憶島-』は、ゲームとしては凡庸な横スクロールゲームかも知れない。冗長なシークエンスもあるし、テンポの悪さを感じる部分、雑で荒いと感じてしまう部分もそれなりにはある。
しかしながら、そういう荒さが全て気にならなくなるほどに、終わり方がよかった。正確には終わりを迎える一連の流れ、と言うべきか。
要所の小ネタもセンスと雰囲気を感じられて、個人的にはとても好ましかった。作品のテーマも押し付けがましくない。キャラクターを飛び越えて作者のお説教になったりもしない。

この手の作品を人に勧める上で難しいポイントは「何が良さなのか伝えること自体がネタバレになってしまう」ということ。『十三騎兵防衛圏』然り。例えば『STEINS;GATE』だって、面白くなるまでに伴う苦痛の方が多いと思う。

よって「ボクっ娘属性」と「百合要素」と「可愛いキャラデザ」で釣られてホイホイ買ってた僕のようなプレイヤーは吹き飛ばされる。感動体験に至るまでの仕掛けが凄まじい。
悲しいかな、これ以上は言えない、、、気になったらやってくれとしか言えない。

そして「このゲーム、感動しました」と書いてしまうと、本来得られるはずだった感動を邪魔される可能性が出てくるということも。
まったく期待せずになんとなく始めたら未曾有の衝撃でぶん殴られたみたいな、完全に予測していなかった方向からの一撃が一番効くんだよね。
あー、記憶を消したい。記憶を消してもう一度やりたいゲームが多すぎる。

僕は、心が洗われました。
この作品に救われる人も多いと思う。

素敵な時間をありがとうございました。


どうしようもなく疲れていて、とことん癒されたい人には『風ノ旅ビト』を勧めておく。

わざわざ紹介するまでもない無類の神ゲーではあるが。

僕の傾向として、全部の要素が80〜90点の優等生ゲームよりも、50点の中に300点が紛れ込んでるような尖ったゲームの方が好きなんだと思う。アニメや映画もそう。『クーロンズゲート』とか『MYST/RIVEN』とか、ゲームそのものが面白いわけじゃないけど尖り散らかしてるもんね。

読者にゲーマーが何人いるかはわからないけれど、日常のスパイス、エッセンス、リラクゼーションアクティビティとして。
ゲームいかがですか?( ' '

以上です。

いいなと思ったら応援しよう!