エログロ有害情報は、人を変える、社会を変える。
個人に対する誹謗中傷については法律が改正されたりと少しずつ改善はされつつある。
ところが、不特定多数を標的とするエログロ有害情報はネット上に溢れ返ったまま。
数多のエログロ・コンテンツは社会に対する脅威である。
それを見た時だけ嫌な思いをするだけではない。
残酷で暴力的な画像や動画は、それが現実であろうが作り物であろうが、頭に残ってしまう。
純粋無垢な子どもであればなおさら。
心に深い傷を負う。
しかも治らない。
時間は助けにならない。
SNSや動画サイトの運営側に、コンテンツモデレーターという職種がある。
その仕事は、サービスやサイトのポリシーや法律に反する不適切なコンテンツをチェックして削除していく。
海外では、その業務は過酷を極めていると報道されている。
人が首をはねられ、銃で撃たれ、虐待されるコンテンツを毎日毎日チェックする。
あまりの酷さにうつ病や不安症、PTSDなどの健康被害に悩んでいる人が多いという。
そして、海外のあるSNS運営会社は彼らから訴えられ、何億もの和解金が支払われたとの報道もあった。
見なければいい、フィルタリングしていればいいというものではない。
エルサゲートという用語が2017年頃に話題となった。
それは、子どもが人気キャラクターなどを検索して、その結果を再生すると暴力、残虐、ひわいな動画が勝手に再生されてしまうというもの。
大人が見ても気分悪くなり、頭から離れないようなコンテンツを子供が偶然見てしまったらどうなるか。
成長する過程での人間性形成に悪影響があるかもしれない。
逆にエログロの世界に興味を抱いてしまうかもしれない。
見てしまったことを親や友達に言いたくない、言えないケースがほとんどであろう。
ひとりで一生抱えることになる。
そのことがその人の人生に、その家族にどんな影響を及ぼすのだろうか。
個人だけの問題ではない。
影響を受けた人が増えていく社会はどう変化していくのだろう。
重いテーマであるが、情報モラル教育の中で大人と子供が一緒に考えていくべき課題である。