関西フィル、日本センチュリーの海外公演レポート!
こんにちは、日本オーケストラ連盟です。
今回は「日本オーケストラ連盟ニュース vol.112 40 ORCHESTRAS」に掲載いたしました関西フィルハーモニー管弦楽団と日本センチュリー交響楽団の2023年10月の海外公演レポートをお届けいたします。
関西フィル創立50周年事業 第2回欧州公演を終えて
関西フィルハーモニー管弦楽団 常務理事・楽団長 大野 英人
コロナ禍の影響がまだ残っていた 2022年秋、2023年の第2回欧州公演が決定しました。
公演初日、2023年10月12日ベルギー、ゲント公演は歴史あるバイロケミュージックセンターでのダイキン・ヨーロッパ50周年記念式典での記念演奏。オーギュスタン・デュメイ音楽監督のヴァイオリンと指揮、ピアノが児玉桃さんでモーツァルトのP協をメインにデュメイのヴァイオリンが華を添えました。
13日パリ公演は1,150席のラ・セーヌ・ミュージカルコンサートホールで行いました。マチュー・ヘルツォークの指揮、デュメイのヴァイオリンでモーツァルトの協奏曲に、メインはドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」でした。そして演奏後のお客様の反応にびっくり。演奏が終わるや否や満席の聴衆のほぼ全員のスタンディングオベーションが起こり歓声の中、拍手が沸き起こりました。まさしく目を疑う光景でした。楽団員の驚いた顔が今だに瞼に残っています。
14日フランクフルト公演は歴史あるアルテオーパーでの公演。デュメイ監督のヴァイオリン、児玉桃さんのピアノでモーツァルトの協奏曲を演奏し、メインプログラムがデュメイ指揮でメンデルスゾーンの劇音楽「真夏の夜の夢」組曲でした。2,500席満席のお客様からブラボーの出る中終演。公演後新聞2紙で批評が出るなど嬉しい反響がありました。
関西フィル第2回欧州公演は各地で成果を上げ欧州に確実な足跡を残し帰国しました。
日本センチュリー交響楽団11年ぶりの海外公演、マカオ国際音楽祭
日本センチュリー交響楽団 事務局長 河村 一政
第35回マカオ国際音楽祭は4年ぶりの開催ということもあり、センチュリー出演の公演は2公演計約2,300席に対し60,000人を超える申し込みがあったほど注目度の高い公演となりました。10月21日、マカオでの公演 1日目は第 276回定期公演と同プログラムということで、メンバーも少しだけリラックスした雰囲気でしたが、GP になると空気も一変。11年ぶりの海外公演で、いつもと違う空気感でピリッとしたムードに包まれていました。
本番は、久石マエストロのタクトに導かれてセンチュリーが奏でる、ロマンチック溢れるシューマン、Viola Saga ではタメスティさんによるヴィオラの魅力も炸裂、そして圧巻の疾走感のベートーヴェン「運命」に満員のお客さまも終始圧倒されているようで、アンコールの「Kiki’ s Delivery Service」のイントロが流れると、日本では考えられない大歓声が!さらに演奏が終わると会場は拍手の渦に…久石マエストロも楽団員もまずは1日目を無事に終え安堵の表情で会場を後にしました。
2日目は、マカオ・オーケストラとの共演も含めたこの音楽祭のためのプログラム。
前日にもまして圧倒的な疾走感で駆け抜けていったベートーヴェン「運命」、後半はマカオ・オーケストラのメンバーとの共演による久石作品2曲。特に「Spirited Away」(「千と千尋の神隠し」組曲)は、今回のプログラムの目玉でもあり、演奏終了後は割れんばかりの歓声と拍手。アンコール曲の Merry-GoRound ではまたもイントロで大歓声!を頂きました。
今回、一番印象的だったのは客層が若いことでした。マカオではクラシックのコンサートやオーケストラを鑑賞する文化があまり根付いていないと現地の担当の方はおっしゃっていましたが、日本でも出演者・プログラムによって若者達をもっと惹きつけることができるのでは、と感じさせられる公演となりました。
2023年11月30日発行
「日本オーケストラ連盟ニュース vol.112 40 ORCHESTRAS」より
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