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水曜日の会話があとを引いている

月曜日

業務資料に新卒入社したところの社名があり、懐かしい名前を目にする。あの人辞める辞める言ってたけど出世したんだなあ、と懐かしい気持ちになる。

2015年の私は「こんなクズだらけの場所で息してたら自分も腐る」とか「このままずっとこの街(会社のある場所)から抜け出せなかったらどうしよう」と本気で思っていて、今覚えばちょっと、いやだいぶ大げさだった。

会社が全社員にとって最適解なわけじゃないよね。誰かにとってはブラック、誰かにとってはユートピア。そんなことを当時の私は分かっていなくて“ダメな会社”って決めつけたがってたんだよな。

(現職の話) この間ふだんあまり関わらない部署の人とランチしたときに「うちの会社って〇〇なところ本当にだめだと思いません?」って結構な熱量で言われて、でも私はそれを感じたことが無かったもんで 全く共感できずにポカーン。その瞬間、私と相手の分断は決定的なものに。

いい会社がないように、いい人も、いい女いい男もいない。自分と合うかどうかだけ。


火曜日

なんとなく胃が重たい感じがするので、数日間ブラックコーヒーをやめてみる。


水曜日

会社のワークショップが2年ぶりに復活。一日or半日を使って各部署ごとに親睦を深める年一回のイベントで、私の部署はボーリング&バーベキューの半日コース。

会社の公式行事は面倒だしこのご時世に…というところはあれど、いろんな人と話をしたり親睦が深まったりするポジティブな面がある感は否めない。

昔よりは肩肘張らずに大人数飲み会に参加できるようになってきたと思うものの、それでもやっぱり帰り道は一人反省会。あの時の上司への切り返しは何が正解だったか。よかれと思って後輩に言ったあの一言はイヤミっぽかったかしら。

いやでもあの質問自体がデリカシーなかったんじゃね?とも思えてきて、イーブンということにしておく。


金曜日

水曜日の会話があとを引いている。ぐぬぬ。

「異性から好意を寄せられたことが、片手で数えられない回数ある人は手挙げてー!」

男性上司1女子部員6で始まったテーマトーク。ちなみに結構酒が入っていたとはいえそもそもそういう話は時代的にもうNGだよなということに、後になって気づくのである。その場でちゃんと反応して拒絶することの難しさ〜〜

さて女子6のうち、外見可愛いのが4、わたし、そしてもうひとり。(まじで性格悪いこといってるけど日記なんで許して)

ゲームではないので上司がMCとして場を回していたんだけど“ちゃんとモテてきたっぽい”人から話を振られる妙。まあそこそこですよ〜人並みくらい、大学で異性が多い学部だったので、ナンパもまあ何回か、ていうかナンパの定義ってなんですか笑、などなど。

5番目に私に白羽の矢が立って「〇〇(わたし)もモテそうな気がするな〜!」という地獄のようなフリがくる。モテる人はそういう聞かれ方しないんよ。蓼食う虫も好き好き属性のやつにそういう振りがくるものだ。

まあそれならそれで「いやいや〜全然ないすよ〜」くらいで自分のターンを終わらせればよかったのに、クソみたいな私のプライドが邪魔をして「私は選ばれるんじゃなくて選ぶ側の人間なので〜」と返してしまう。え?っていう向かいの人の顔…忘れたいのに忘れられない…しにた、くはないけどつらい…6人目は話を振られることなくうやむやに会話が終わっていった。

デリカシーのない話題を出した上司への憎悪と、返しを間違えた自分への呆れでしばらくモヤモヤしそうである。

こういう要らん話題の時にどう対処すれば、帰り道+α後悔せずに済むのか。

慣れたい気もするし、慣れたくない気もする。


土曜日

歯ぎしりがひどくなっているのか顎関節症が悪化してきた。知人から鍼がいいとすすめられたので、家の近くの鍼灸院に行く。鍼自体は10年ぶりくらい。

個人でやっている医院で外見はふつうの民家、室内も清潔感あってよかった。一安心。

施術着に着替えてくださいと言われたので、更衣室に入ってまずシャツみたいなやつを着る。鍼を打ちやすいように背中側もジッパーになっていて、なるほどと思う。

さてズボンを履くかと思って持ち上げると、小さい。明らかにサイズが小さい。女性Sサイズというにも無理がある、キッズなサイズ感。

でも?もしかしたら?めちゃくちゃストレッチきいてたり?ワンチャンいける?と足を通してみるも、膝でストップ。だよね〜、分かってた〜。

こういう施術着的なものって、特にサイズが小さくて入らなかった場合「取り替えてください」と客に言わせるのは屈辱的なのでとにかく大きめサイズを置いておけばいいと思うんだけど。なんでこんなチャレンジングなことするかな…

自分のデニムを履きなおし、意を決して「あの…ズボンが小さいので大きいサイズと取り替えてもらえませんか?」と言う。くぅ、恥ずかしい。

さっそく別のものを探しに行ってくれて、「これしかないんですが、ちょっと大きいかもしれません…」と新しいものを手渡してくれた。

更衣室を閉めてひと息ついてからズボンを広げてみると、いや今度はデカい。デカいのよ。人間二人は入れるぞ。ダイエット成功でーす!じゃないのよ。

これしかないって言うし仕方ないからウエスト部分をくるくる巻いてどうにか止めて、施術着大騒動これにておしまい。

ちっちゃい人とおっきい人しか来ない鍼灸院。

絵本になりそう。

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