会社員でもチア部はできる。準備期間は長くてもいい。やりたいことをやる人生を
2024年に活動15周年を迎える全日本女子チア部☆AJO。15周年の特別企画として、チア部で活動するメンバーひとりひとりのことを知ってもらうべく、個別インタビューを敢行。個性豊かなメンバーの人柄や価値観を語ってもらいました。
今回は2019年からチア部メンバーとして活動し、2024年7月をもってチア部を卒業するゆなてぃです。チア部入部のきっかけから卒業までの経緯、卒業後の展開について話を聞きました。(インタビュー 木村公洋)
「会社員だけど、やってみよう」朝チア入部の経緯
——チア部を知ったきっかけを教えてください
ゆなてぃ:セッキーさん(チア部OG)とよさこい祭りの仕事で知り合ったのがきっかけです。私は小学校3年生からよさこい祭りのチームの踊り手として活動していて、よさこい祭りに定期的に出演しているんです。
セッキーさんと知り合った頃は「今の自分はこのままでいいのだろうか?」とモヤモヤしていて、何か新しいことを始めてみたいと思っていた時期だったんです。しばらくして、セッキーさんがチア部を卒業することをSNSで知り、このときにチア部と朝チアの存在も知ったんです。
「チア部ってなんだろう…?」と少し興味を持った私はセッキーさんに連絡し、セッキーさんと一緒に朝チアを見に行くことにしました。
——初めて見た朝チアの感想はどうでしたか?
ゆなてぃ:もう衝撃でしたよ。出勤途中の人たちが通り過ぎるのを横目にチアリーダーたちが全力でパフォーマンスしていて、「なんて奇天烈な集団なんだろう」と(笑)。でも、全員楽しそうに踊る様子にだんだんと引き込まれていったんです。朝からフレッシュに人のことを応援できるなんて、なんてすごいんだろうと。
朝チアの後にクミッチェルとお話をさせてもらいました。熱量が高くてエネルギーもすごくて、キラキラしていて、このときにチア部に入って活動をしてみたいと思いました。
でも、週に1回ペースや早朝の活動だったので、「会社員の私はなかなか休みも取れないし、難しいかなぁ…」と及び腰になっていたんです。
こんなモヤモヤした状態が数ヶ月続いたんですけど、やっぱり諦めきれなくて、何とかチア部で活動できないかと会社の人に相談したんです。すると、「やってみなよ。応援するよ」と言ってくれて、背中を後押ししてくれたんです。
「人生は一度きり、やりたいことをやろう」。
数ヶ月悩んで末でのチア部入部でした。
「積極的に人に話しかけようになりました」
——朝チアの活動で苦労した点はありましたか?
ゆなてぃ:まずはチアダンスに苦労しました(笑)。よさこいとチアダンスは踊り方が全く違うので、最初は大変でした。でも、メンバーたちにチアダンスの指導をしてもらって、ちょっとずつ踊れるようになっていきました。
朝チアのスピーチも苦労しました。人前で話すのも苦手だったので、なかなかうまくスピーチができなかったんですけど、やり続けて度胸もつきました。
駅前まで朝チアをしていると目が合わない人もいるんですけど、挨拶をしてくれたり「ガッツ」のポーズのリアクションをしてくれたりするとテンションがあがって、嬉しい気持ちになりますね。
朝チアに行く機会が減ってしまった時期もあったんですけど、一回ごとに全力で臨みました。ダンスもスピーチもめちゃくちゃエネルギーを出していましたね。朝チアメンバーには個人で仕事をする人が多くて、私のような会社員は少ないんです。だから、出勤途中の会社員の気持ちはよくわかっているつもりです。スピーチの文章も、1人でも多くの人たちにメッセージが届くにはどうすればいいのかを常に考えてきました。
——朝チアの活動で自身に変化は生まれましたか?
ゆなてぃ:自分から積極的に人に話しかけるようになりました。チア部に入る前までは、あまり人に話しかけることはしなかったんですけど、チア部に入ってからは「もっと自分から話しかけてもいいのかも」と思うようになって、積極的に挨拶したり会話したりするようにしました。
両親からも「いろんな人に話しかけるようになったね」と言われました(笑)
——チア部を卒業するのは中国に留学するためだそうですね?
ゆなてぃ:約2年くらい中国語の勉強をしているんですけど、日本にいると中国語を使う機会も多くなくて、上達のペースが遅いと感じていたんです。それならいっそ現地に行ってしっかり学んで、もっと仕事の幅を広げようと思って留学の決断をしました。
中国語には学生時代から関心がありました。友人にマレーシア人がいて、中国語を話していたのと、英語を学ぶ日本人が多いから「じゃあ私は中国語を学ぼう」と思ったのもきっかけのひとつです。
留学を終えたら、学んだ中国語を活かして新しい仕事をしていきたいです。展示会やモーターショーでコンパニオンの仕事もしているので、こっちにも携わっていきたいですね。
「いい人生だった」と言って最期を迎えたい
——最後に、チア部に興味を持つフルタイム勤務の人へメッセージをお願いします
ゆなてぃ:興味を持っていてやりたいと思っているなら、絶対にやったほうがいいです。平日がムリなら土日にやる手段だってあります。一緒にやってくれるメンバーもいるはずですし、まずは動いてみてほしいです。
過去の自分を振り返ると、あのときチア部に入っていなかったら、きっと後悔していたはずです。だから、諦めてほしくないんです。私のように準備期間が長くてもいいんです。大切なのは一歩を踏み出すことなんです。
私は人生の中で大切にしていることがあります。「いい人生だった」と言って最期を迎えることです。そのためにやりたいことをやる人生を歩まないといけないし、常に学び続ける必要があるし、芯を持ち続けないといけません。
チア部のメンバーは芯がある人ばかりです。応援文化を広めようと本気で活動していて、メンバー同士も尊重し合っています。興味がある人はぜひ、連絡してみてくださいね。