petit garden

前の住人たちの歴史や想い出などがあちこち染み込んだこの家を譲り受けたとき、正直はじめは居心地が良いとは言えなかった。
もうYou達の家なんだから、と言われてもなんだかそわそわして、まるで誰かの家に住まわせてもらってるような、そんな感覚がしてたが故に、手が付けられない場所がたくさんあった。

あれから数年。
はじめはこわごわだったけれど、一つ一つその場所に光を当て、丁寧に磨いていく度に、埃のかぶっていたその場所が、また新しく光り出すようになった。そうなったその場所は、もう誰のものでもなく、自分だけの愛着のある場所に、生まれ変わった。

キッチンの奥にある小窓の前も、そんなわたしのfavorite spot。
500mlのペットボトルが3つ並ぶか並ばないかぐらいのこの小さな場所に、わたしの大好きな世界が完成されている。
西陽の当たるこの窓際で、少しずつ集めては水耕栽培しているお気に入り野菜たち。それらを眺めるのが、毎日のひそかな楽しみになっている。

小さい頃、周りの女の子たちみたいにシルバニアファミリーをおねだりするような子ではなかったけど、とても遅ればせながら、当時のみんなの気持ちが分かるような気がしている。笑

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