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子どもを連れて帰省して、ボクの大好きなじいちゃんを想う。

うちの子どもたちは、小学校5年生の長男と、3年生の次男、年中の三男の3人息子です。いつも元気で楽しい子どもたちは、毎年の「お盆」の長崎への帰省を楽しみにしています。息子たちの姿を見ていると、自分が小さかった頃に長崎への帰省を楽しみにしていた頃の思い出が重なります。

帰省と言っても、ボクは長崎で生まれ育ったわけではなく、ボクの両親の里。なので、ボク自身も長崎は「じいちゃん、ばあちゃんがいるところ」という印象。特に大好きなじいちゃん(以下、ひいじいちゃん)に会いにいくのが楽しみでした。ボクの息子たちも同じように「じいちゃん、ばあちゃん」に会いに行く…というのが長崎の印象だろうと思います。とにかく楽しみにしています。

長崎は親戚がたくさんいるところ。

長崎の実家のあたりは、本当に田舎。小さかった頃に帰省した時は、ご近所のみなさんから声をかけられていました。全く知らない人でも、道で出会った方から、よくお年玉をもらっていました。みんなが家族…とまではいかないけれど、みんな知り合いで、みんなフレンドリーな地域でした。

帰省してすぐにやることは、息子たちを連れて帰省した時も、ボクが小さかった頃も同じ。帰省すると、まずは実家の仏壇にお参りをして、その後はいろんな親戚の家にあいさつをして回り、それぞれの仏壇で手を合わせます。その後、森重家のお墓を参りに行き、その村墓地にある親戚のお墓をいくつか参ります。「お盆」も「お正月」もそれが当たり前の光景でした。

息子を連れて帰省したら、ひいじいちゃんも一緒に盛り上がる。

「お盆」と「お正月」の帰省の1番の目的は「じいちゃんとばあちゃんに会いに行く!」ってこと。だけど、息子たちを連れて帰省するようになって、もう1つ大切な役割があることに気が付きました。それは、ボクが小さかった頃から、毎年のように長崎に帰省していたから感じていたことがあって、そして今、息子がいるからこそ感じられたことです。

それは、まず「お墓参り」に行った時に初めに感じました。一通り参っている間に、子どもたちと霊標に彫ってある名前のところを見ながら、
「この人って誰なん?」
って、お墓に入っているご先祖様のことについて聞いてきました。その名前が、どんなご先祖様か…ってことについて話したり、ひいじいちゃんががんばって建ててくれたお墓だってことを話したりしました。おそらく、ご先祖様のことについて話したのはそれが初めだったと思います。

そして、親戚のお家に挨拶に行った時に、お仏壇に線香をあげて手を合わせている時にも、「このじいちゃんは、海が好きな人やったんやで。」とか、「このばあちゃんは、すごく長生きしたんやで。」など、仏壇にある写真を見ながら、子どもたちといろいろと話をしていたのです。

実家でみんなでごちそうを食べている時も、子どもたちからしたら「ひいじいちゃんとひいばあちゃん」の写真も見ながら、「ひいばあちゃんも喜んでるわ。」とか「ひいじいちゃんは、アジ釣りの名人やったんやで。」などなどたくさん話題にのぼります。この前のお盆、携帯のアプリで顔がどれくらい似ているかを診断できるもので盛り上がった時には、ふつうに「ひいじいちゃん」の遺影を撮影して「じいちゃん」と98%似ている!と診断が出て大爆笑していました。

子どもたちのひいじいちゃん、ボクにとってはめちゃくちゃ大好きなじいちゃんは、子どもらが生まれるずっと前に亡くなってしまっているし、そこにはいないんだけど、でも確かにそこにいて、一緒に盛り上がっている…ってことを感じていました。大爆笑しながら胸がいっぱいになっていました。

当たり前だと思っていた帰省のプロセスが子どもたちにもたらしているもの。

自分が小さかった頃、帰省する理由は「じいちゃん、ばあちゃん」に会いに行くことでした。おそらく息子たちも今、同じ気持ちだと思います。だけど、息子たちを連れて行くようになって、当たり前にしていた帰省のプロセスの中にはたくさんのことが詰まっている…と感じるようになっています。

特に教えられるでもなく、特に意識して話すこともなく、ずっとずっと当たり前に習慣になっていたことで、もうそこにはいないボクの大好きなじいちゃんをはじめとしたご先祖様のことについても意識ができるようになり、言葉にならないベースを作ってくれていたんだろうな…ってことを感じています。おそらく、ボク自身も小さいころに親に長崎に連れていってもらった時に感じたことが今のベースを作ってくれていると感じています。

長崎の実家は「お盆」や「お正月」しか行けないけれど、その時間を大切にしたいです。そして、普段の生活の中でできるだけ時間を見つけて、子どもたちと一緒にできるだけ「お参り」に行くようにして、大切なベースを作っていってあげたいな…と思っています。

庵治石細目「松原等石材店」3代目 森重裕二

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