【味菜便り】ついに九州全域でも豚熱ワクチン接種がはじまりました
こんにちは。放牧豚の味菜自然村 一人村長の林拓生です。
皆様、今回も大変長らくお待たせしてしまいました。
ようやく次の豚が出荷できるサイズに豚達が育ち、
お肉をご購入いただける準備が整いましたので味菜便り書きました。
※味菜便りとは
最近、味菜自然村に起こったことや、感じたこと、子供のことなど、
味菜自然豚共同購入の個人会員さん(無料会員登録はこちら)へ向けて綴るお便りです。
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味菜便り
2023年10月13日
今年の夏も異常な暑さでしたが、皆さんはお元気にお過ごしでしょうか?
世界は地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代に突入したそうです。佐世保市でも観測史上最高気温の38.1℃をマークし、私にとっても豚さんにとっても厳しい夏でした。「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、本当に暑い夏がお彼岸を境にぐっと和らぎました。
現在、味菜自然村は秋が深まり、いつの間にかセミの鳴き声がなくなり、
コオロギやクツワムシなどいろんな秋の昆虫の鳴き声に変わっています。
雨が降るとまた一段と寒く感じ、冬ももうそこまで来ているようですね。
さて皆さんにお詫びしないといけないことがあります。
ご存じの方も多いと思いますが、先日佐賀県の養豚場2か所で豚熱が発生しました。とうとう九州に入ってきたということで、九州全県も豚熱のワクチン接種地域になってしまいました。
私は今まで、お肉になる豚には、
「ワクチンも薬も抗生剤なども、必要のないものは摂取せず、
豚本来の『生きる力』を信じて最大限にサポートする」
という信念でやってきましたが、
豚熱のワクチンを摂取しないといけないことになってしまい、
私達の自然な飼い方に共感くださり選んでくださっている会員の皆様に
お詫びを言いたいのと、どうかご理解をいただきたいと思っています。
今回佐賀県で発生した豚熱により、殺処分された豚の数は1万頭以上。
殺処分された豚を埋めた土地ののり面から豚の血液がにじみ出ているそうで、周辺の農業用水への影響なんかが懸念されています。
昨年は鳥インフルエンザにより、大量の鶏を殺処分し、
ある地域では農業用水のため池が腐敗臭と消石灰による白濁化による被害がでていたりもします。
世界の流れや価値観などが大きく変わっている今、
全頭殺処分ということをもう一度色んな人たちを加えて議論してもいいのではないかと思いますけどね。
一生懸命生きている家畜もかわいそう、
再出発する農家への大きな負担、
周辺農家にも迷惑を掛けている、
消費者にもよくない、自然にも良くない。
いいことない気がするけどなぁ…。
ワクチン接種しているんだし、検討し直してもらいたいですね。
これまで、なるだけ自然にも、豚にも、人にも負担を掛けないで、
自然と共生していける方法を模索してきました。
私達の命を支える食が原因で、自然や動物を苦しめ、
結果、私達人間の命をも脅かす事態となるようなやり方に加担するようなことはしたくありません。みんなの力で見直していきたいものです。
こうして、この記事に関心を寄せて読んでくれている方、お肉の会員の皆様は、関心を寄せたり、生産の裏側にも配慮した食べ物を選んでくれていることで、世の流れを変えることに大きく力を貸してくれていると思っています。でも、まだまだその数が足りないのだと感じています。
昨年購入した、一部放牧場に隣接する森、
江迎町の水源エリアに位置するこの森を、豊かで楽しい癒しの場にしようということで、妻が「みんなの森を育む会」を立ち上げて、
長崎森林・山村対策協議会に交付金を申請していましたが、先日これが無事に採択されました。
いよいよこの秋から本格的に整備に入ろうとしています。
今現在、会員は、私と妻を含めて4名。
もし、「森林整備に興味がある」とか、「経験あるよ」というお近くの方がいらしたら、是非、会のメンバーになって一緒に整備してくれると嬉しいです。ご質問等あったらお気軽にメールでもお電話でもください。
保険に入って、鉈や鋸、草刈り機やチェーンソーなんかも使いながらする作業になりますので、お子様連れでの参加は難しいと思います。
森を整備して、子供達も安心して参加できるイベントを森で開催していくのが目標です。
さて、話は変わりまして、
9月22日から1カ月間、台湾から大学院を卒業したばかりの女の子が研修にやってきています。(この記事のTOP写真が研修中の風景です)
将来は動物に携わる仕事をしたいようで、豚が大好きなようです。
一人ではなかなかはかどらない作業ももう一人いればだいぶ変わりますね。
20年以上も前に使っていた久しぶりの英語を思い出しながら会話をしますが、やはり20年以上も話していないと忘れてしまっています。
でも勉強になったことがひとつあります。
それは子供達です。
もちろん英語はまったく話せないので、思いっきり日本語で話しかけるのですが、意外と下手な英語より通じていて、コミュニケーションをとるうえで言葉ってそんなに大事ではなく、
話しかける勇気と情熱が必要なんだと子供達から教えられました。
子供達にはこのまま失敗を恐れない、勇気をもって進める子に育ってほしいものです。
今回の研修生は子供達の成長にも大きくかかわってくれていると思います。
最後にそんな子供のお話。
娘はようやく学校にも慣れてきたようで、私や妻が学校まで連れていくと、以前はたまに先生に引きずられながら教室に入っていくこともありましたが、最近はしっかり自分の足で教室に向かっています。
最近は息子と娘二人で仲良く遊ぶようになってきました。
二人で二人の世界を作り上げ、いろんなごっこ遊びなどしています。
娘は「魔法の~」なんて言って、
息子は「シャキーン」とか「シン。シン。」とか刀の音を出したり、
同じ遊びをしているのに、なぜそんなに効果音が違うのか…。不思議です。
たまに喧嘩もしますが、いつも仲よく遊ぶ二人を見ると癒されますね。
ただ、いつも二人が揃うと予想を超えてくる何かをしでかすんですよね。
それぞれ一人だと悪いことを思いつかないのに、悪知恵が相乗効果で発揮されてくる感じがなんとも、、、なこの頃の我が家です。
今回のお肉の発送予定日は10月17日、25日、31日前後を予定しております。
今回は4頭分の豚を出荷する予定ですが、もしたくさんの注文が入りましたら、ご注文内容より少し少なくなってしまうことがあるかもしれません。
どうかご理解の程、よろしくお願い致します。
味菜自然村 村長 林拓生