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自然災害と家とお金:3-4. 傾いて住めなくなってしまう、それが液状化。

あじさいと数年来知り合いの方で、建設会社の社長の言葉です。
物事で大切なことに「守・破・離」という言葉がある。
建物でいうと、「守」は家の基礎に相当するよね。
実はもっと大切なことがあるんだ。それが「地盤」なんだ。
人間でいうならば「心の状態」だね。
「地盤」が丈夫でないと、その上の家はやられてしまうんだよ。

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こんばんは、あじさいです。
暑くて溶けちゃいそうな夏はいつ過ぎ去るのか、指折り数える日々です。
溶けて液体化してしまいそう……。

前回の自然災害と家とお金に関する記事、「津波」はこちらから!

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さて、今日は地震の被害、「液状化」についてお伝えします。
「液状化」!?聞いたことある、東日本大震災のとき、浦安で問題になったよね!という方もいらっしゃったと思います。
液状化が知られるようになったのは、1964年(前回の東京オリンピックが行われた年)に発生した新潟地震。
液状化により、団地1棟がまるごと転倒している写真には本当に驚かされました。(著作権の関係で写真の掲載が難しいので、ぜひ「新潟地震+液状化」で検索してみてください!)

東日本大震災で液状化が発生してタワマンの価格に影響を与え、一昨年の北海道胆振東部地震でも札幌市内の住宅地に大きな被害を及ぼしました。

液状化とは?どんなところで起きるの?

◆そもそも液状化とは?

地震の震動で地盤が揺さぶられて、地盤が液体の状態に変化すること

えっ?地盤が液体に!?地面って砂や土だから固体でしょ……

下の図を使って説明してみます。
地下は砂と水で満たされています。このとき、砂と水はバランスよく配置され、上部の建物を支えています(左の図)。

強い地震の揺れが加わると、地下の砂と水がシェイクされます。
シェイクされるとバランスよく配置されていた水と砂がバラバラになってしまい、字のごとく地面が液体のようになってしまいます(中央の図)。

その後、地盤の上の建物のバランスが崩れてしまい傾きます(左の図)。

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出典:国土交通省

何となくはわかった、動画で見たい!

この動画がわかりやすかったです。
2分でわかる液状化の動画!

建物や線路、道路がどうやって液状化するのかイメージできますね。

◆液状化が発生しやすいところ

液状化も、津波と同じように立地が重要です。

一般に3つの条件がそろうと液状化しやすいとされています。

1.砂地盤である(地下 2~3mの浅い位置に砂層が存在)
2.砂がふんわりとたまっていて締めかたまっていない
3.緩い砂の層が地下水に満たされている


以下の場所では液状化が発生しています。

・埋立年代の浅い埋立地 
浦安はこれに該当、豊洲・お台場などの沿岸部などですね。

・旧河道(きゅうかどう:昔の川筋)
川が埋め立てられた場所です。

・大河川の沿岸(特に氾濫原)
→大きな河川の近くで、かつ、海に近い平野部ですね。

・沢や谷埋盛土(谷を土で埋めた土地)の造成地
→2018年に発生した北海道胆振東部地震では、谷を埋めた土地に家が建てられており、液状化が発生して多くの家屋が被害を受けました。

・過去に液状化の履歴のある土地
→液状化は過去に発生した場所で何度も発生すると言われています。

東日本大震災や北海道胆振東部地震では「埋立てや盛土で造成した住宅地」で被害が発生しました。

液状化による家への被害

戸建てでも、マンションなどの集合住宅でもどちらでも被害は発生します。

戸建て住宅
このエントリーのトップ画のように、実際に家が傾いてしまいます。
家が傾くと、外観に被害はなくとも住むことが難しくなってしまいますね。

また、谷地形を埋め立てた場所では、家の基礎部分の土砂が流れてしまうこともあります。
下の写真は、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震における札幌市内の液状化被害です。この地域では、谷を埋めた宅地で液状化の被害が出ていました。

液状化被害

出典:国土交通省 北海道開発局

マンションなどの集合住宅

マンションは傾かない……!?
残念、マンションは倒れにくいものの建物によっては傾斜しています。
マンションの写真ではありませんが、中央に写るコンクリート製の建物がわずかに傾斜していることが分かると思います。

建物傾斜

出典:国土交通省

実は、液状化の被害を受けるものがまだあります。

それは、水道管やマンホール、ガス管などです。あと地上なら電柱も液状化の被害を受ける可能性があります。
ライフラインに関わる設備が被害をうけると、必然的に電気・水道・ガスといった生活になくてはならないものの復旧に時間がかかってしまいます。

地下に敷設されている水道管やマンホール、ガス管なども強い揺れによって被害を受けてしまいます。下の写真は液状化によって地下からにょきにょき出てきた地下の埋設物です。

地下埋設物

出典:国土交通省 (1つ上の図と同じ出典)

我が家は大丈夫?液状化リスクを調べる

やはり、自宅は大丈夫!?って気になります。
自分の家のゆれやすさに関するハザードマップを見ることが大切です!

まずは、ハザードマップポータルサイトから、「わがまちハザードマップ」を見てみましょう。
https://disaportal.gsi.go.jp/index.html

わがまち

一番下に「地震防災・危険度マップ情報」と書かれているので、これをクリックします。そうすると、「地盤災害(液状化)マップ」があります。
これをクリックすると、見たい市区町村のハザードマップにアクセスできます!

わがまち2

ハザードマップで何ができるの!?って知りたい方はこちらから↓

マガジンにもしています「まずは知る:ハザードマップ」

まずは、自分の家のリスクを把握しましょう。
リスクが高いと言ったからと言って、必ず発生するわけではありません。

その後の対策の相談は地盤の専門家、もしくは、お住まいの市区町村の建築関係の部署に相談ができそうです。以下は東京都の相談先です。

すこーし長くなりました。最後までご覧くださいましてありがとうございました!一度、ぜひ、おうちの液状化リスク、調べてみてください!

あじさい

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