血液検査で思い出したあのヤな感じ
先日、おひるご飯を食べていつものようにソファで日本茶を飲みながらニュースを見ていました。いつもだったら、強烈な眠気に襲われるがままウトウトしているのですが、急に胸と背中が痛くなりました。座る姿勢が悪かったかなと思って横になったのですが、ぎゅうと圧迫されるような痛みは増し、息苦しくもあり、頭がフラフラしてきました。胃とかお腹だったら治まるまで様子を見るのですが、胸が痛むなんてことはそれまで経験がなく、30代で心筋梗塞になった友達のことも頭をよぎり、在宅勤務だった夫に頼んでERに連れてってもらいました。
受付で手続きを済ませたら、即、心電図を測り血液を採取しました。どうやら特に危険な状態ではなかったらしく、レントゲンなど「念の為」の検査をするまで待合室で数時間待たされることとなりました。そうこうしているうちに胸と背中の痛みは治ってきて、3時間4時間と経った頃には、あれ、私なぜここにいるんだっけ?という状態になっておりました。
アメリカには、MyChartという医療データを管理するオンラインシステムがあって、自分のカルテや健康診断の記録は全てそこにアップロードされ、保存されます。待合室で座っている間に、「あなたの検査結果がMyChartにアップされました」という通知がスマホに届きました。先ほど受けた心電図や血液検査の結果をその場でチェックできるのです。
胸の痛みはもう消えていたので、さほど心配はしていなかったのですが、思わぬ項目にチェックマークがついていました。血糖値とコレステロールです。これまで食べたいものを食べたいだけ食べても何の支障もなかったのですが、閉経したからでしょうか、私もいつの間にか、NHKでしつこくやってるようなあの手の健康番組を熱心に見なければいけないお年頃になっていたのです。
チェックマークがついていない項目でも、標準範囲内にギリギリ収まっているような崖っぷちの項目がいくつかありました。見慣れないアルファベットや数字の並びを検索して、それが何を指しているのか、改善するためには何に気をつけるべきなのかを調べていきました。上から順番に検索していくにつれどんどん気持ちが落ち込んでいき、これは何かに似ているなと思いました。
それは、中高時代の成績表と、親と共に担任からその解説を聞かされた三者面談です。私の母校では、全学年200人の成績を点で記した分布図や、各生徒の中一からの成績の推移をグラフにしたものでそれぞれの位置と学習度を可視化していました。そういった資料を見せられながら、担任から注意を受けたり褒められたり激励されたりしたのです。血液検査の一つ一つの項目を調べながら一喜一憂し、あれを思い出していました。
血液成分も成績も、数値に表すことでしか評価され得ません。血糖値もコレステロールも、成績と同じで日頃の生活習慣のバロメーター。一朝一夕には変えられないところや即効薬がないところが、成績を上げるにはどうしたら良いのか頭を悩ませたあの感じと似ているのです。数値が出てしまった以上、とりあえず明日からコツコツやるしかないのです。次のテストが勉強のモチベーションであるのと同様、来年の健康診断を目標に食生活を改善したいと思います。
検査を受けている間、看護師さんから「胸が痛くなった時、何をしてたの?」と聞かれたので、「ランチを食べた後、ソファに座ってニュースを見てた」と答えたら、「よほど嫌なニュースだったのね」と言って、フフフと笑いました。その日は大統領選の翌々日であったので、「そう。一昨日からものすごいストレスよ」と言って、私もフフフと笑いました。そんなジョークを言って笑い合える州で良かったなと思いました。
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