大事なのは細かい事じゃなくて、そこに込められた『気持ち』
突然ですが、みなさんに質問です。
30メートルくらいの崖から突き落とされて、下にあった木の枝がお腹に刺さって、エビぞり状態で気を失いました。
あなたのこの後の行動として正しいものを選びましょう。
①そのままお亡くなりになる
②がんばって病院に行く
③抜け出してそのまま落とした相手をぶっ殺しに行く
……はい。正解はもちろん③番です。おなかに空いた穴なんてなんのその。落とした相手と、その友達2人も含めてぶっ殺しに行きましょう。
というのが『REVENGE リベンジ』という映画です(笑
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新進女優が出ているとはいえ、他には特段有名な人が出ているわけでもありませんが、そんなぶっとんだストーリー展開が受けて人気のようなので見てみたわけです。
上の記事にも「気絶者が続出」とあるように、とにかく痛いシーンが多いです。あと、後半は必要以上に血の量が多い(笑
そもそもお腹に枝が刺さったことのある人はあまりいないでしょう。それを引っこ抜いて、空き缶あぶって押し当てて、自分で止血と消毒しちゃおうと思う人もまあいないですよね。
ついでに言うと、ガラスを素足で踏んづけて、痛いのを我慢しながら奥まで入り込んだガラスをつまみ出したりとか。いやーもうこれが痛いのなんの(笑
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これが、はなっからスプラッタ映画である、というなら納得もできるんです。
でも、序盤なんかはむしろスタイリッシュな絵面なんですよね。それに話としても、「女の子が男に殺されかけたので復讐する」という特段のひねりのない作り。
このヒロインが、美人である以外の設定はなんにもなく、「ロスで、どんな形でもいいから有名になりたいわ」とか甘い夢を語り、金持ちの男と不倫しているだけの年端もいかない娘っぽいのに、いきなり崖から突き落とされたかと思えば、刺さった枝から抜けだして、自らお腹の傷の処置もしてさあ復讐するぞと豹変するわけです。
そのまま男どもを追いかけまわすし、銃も軽々と使うし、あなたはどこのサラ・コナーですか。
頼むから病院行こうよ……と思う観客を完全に置いてけぼりにするスーパーウーマン。そんな荒唐無稽っぷりに、つゆほども後ろ髪惹かれることなく、復讐を遂行する強さ。
この辺のあまりにもアンバランスなものを、アンバランスなままパッケージにしてしまった意欲作が今作です。長編映画初監督らしいので、そのあたりの無鉄砲さもあるでしょうね。
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そんなわけで、『細かいことはこだわったら負け』という場合もある(笑
ということをこれを見ていて私は思ったのでした。
あ、あとやたらと男を全裸にさせたがる映画だな、とも思いました(笑
映画はそれなりに面白かったのですが、痛いのが大丈夫な人以外は見ない方がいいですよ(笑