置き忘れたものは【旅する日本語】【幸先】
出掛けに宅配便が来たのは良くなかった。
バタバタしている時に、子供が催すのは、いい面もあるから良しとしよう。一番良くなかったのは、母が出発を急かしたこと。母は、いつもせっかちなのだ。そんな母と私たちの家族旅行は、慌しいプレリュードに奔走されて、ケータイを忘れるところから始まった。
正直、これはショックで落ち込んだ。旅行の写真を収めることも、それをつぶやくこともかなわない。これでは何のために旅行に行くのかわからない。
でもね、すぐに思った。この考えは違う。まったく間違っている。
何のために旅行に行くかって、俗世との交流を断って、リフレッシュしにいくためでしょう。むしろ、ここは喜ぶべき。「ケータイ電話という世間との首輪は、今、一番家に置いてくるべきガジェットだ!」そんな、見出し文が頭の中を駆け巡る。
よし。写真は脳裏に焼き付けよう。調べ物は行き当たりで十分。大丈夫さあ行こう。首輪の外れた野良旅行だ。
「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)