月1000円の有料記事に考える、私の文字への価値観。
正直、私は大変ショックだった。
月額1000円という金額を、「高いな……」と思ってしまったことが。
――さかのぼること数日前。
私の『推し』がnoteを始めていた。
映画から音楽から漫画まで、いろいろなところに好きを振りまいている私には推しも沢山いるけれど、その方は5本の指に入るくらいの推しだ。長年ずっと活動されており、ずっと好き。コロコロと推しの変わる私は、物事を嫌いにこそならないものの、好きの順位が下がってしまうことはよくある。
だからこそ、長い間ずっと高い順位に居続けている人はそう多くない。
そんな中の一人だ。
押しも押されぬ推しのはずだ。
その推しが有料noteを出す。値段は『月額1000円。月に3回程度の更新予定』。この値段に、たじろいでしまう自分がそこに居たのだ。
もちろん1000円という金額自体が高いとは思わない。
プロであり、第一線で活躍されてきた方が、培ってきた経験や、知見を開示されることに価値がないわけがない。そして月3回程度の更新なら1回300円程度。ガチャ回したら一瞬で溶ける金額だ(とはいえ私はあの手のゲームに課金したことは一度もないけれど)。むしろ安いと言い切ってもいいだろう。それだけの価値があるはずだ。
kindleで漫画買う時には値段も見ずにパチポチ買うくせに、この期に及んで1000円にうだうだ言うなんて肝っ玉が小さい。早く財布を開け。
そう言って、【天使】たけのこが騒ぐ。
――しかし同時に【悪魔】たけのこが言う。
いやまて。お前は確かに漫画とかに関しての金銭感覚は完全に崩壊しているけれど、一回1000円と月額1000円では重みが違うだろう。仮に1度も更新されなかったとしても(もちろんそんなことはないと思うけれど)、自動的に1000円取られるんだぞ。年間いくらになると思っているのか。
アマゾンプライムに入るときもあれほど躊躇したのに、今回はその倍の値段だ。ここで1000円払うんだったらネットフリックスにでも課金した方が、クオリティオブライフの向上を見込めるんじゃないのか? おとなしく私にクイーンズ・ギャンビットを見せろ!
脳内では、そんな終わりの見えぬ争いが勃発する。
そして問題は、これが私だけの問題ではない、ということだ。
……いや、『私だけの問題ではないような気がする』という主語の拡大に近い何かだ。
つまりだ、――推しの中の推しに対してでも月1000円を払うことは躊躇してしまう。それが私の価値観であり、おそらく私の他にも、このような価値観を持つ人が沢山いる。
偉そうなことを言える立場ではないのは百も承知ではあるが、仮にも創作を提供する側の人間として、そんな肝っ玉の小さいことを言っていて良いのだろうか。それは明日は我が身に降りかかる、血塗られた価値観なのではないだろうか。
まあそんな偉そうなこと言ったところで、急に価値観が変わったりもしないし、手元のお金が増えたりもしないんですけどね。
いたずらに散財を推奨しようというわけではないものの、創作とくにこのnoteでの創作というものに関しては、もっと緩い財布を持っていたい。
そんなことを年明けから感じさせられた出来事でした。
1000円は悩むけど、多分、払うよ……私。多分(笑
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