『株式会社リストラ』(ショートショートnote杯)
「今日と言う今日こそはお前を倒してやるぞ! 悪の株式会社リストラめ!」
決めポーズとともに大きな声でタンカを切ったのは正義の戦士コンサルタントだ。
「お前はわかっていない。ダークサイドだと私のことを揶揄するが、私の目的もお前と同じく会社を良い方向に導くことなのだ。手段が違うだけでお前と私は表と裏の存在。本質的には同等なのだ」
そんな言説を打ち払うかのようにコンサルタントは右手を大きく振りかぶった。
「リストラよ! お前がこれまでやってきたことで何人の労働者が涙を流してきたのかわかっているのか! それを知っておきながらよくもそんなことを……」
「しかしお前だってわかっているだろう……会社で最もお金がかかるのは人件費だ。そこから目を背けるわけにはいくまい」
「……ぐっ」
「まだまだお前は甘いのだ。昔からな」
「昔から……?」
「そうだ。――お前の父は、私だ」
「うっ……ウソだーー!!」
コンサルタントの絶叫が谷間に響き渡った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他のショートショートnote杯用の作品はマガジンにあります!
関係ないショートショートも沢山あるのでお気にめしましたらそちらもどうぞ。
#ショートショートnote杯 #ショートショート #小説 #株式会社リストラ #ショートショートショート #リストラ
いいなと思ったら応援しよう!
「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)