気球に乗って【旅する日本語】【恋草】
今年も気球が見えてきた。
自然と早くなる鼓動は、贔屓の音楽フェスにやって来た、という興奮だけが理由じゃない。
「あなたに会えるかも知れない」
そう考えるだけで、内臓が自分の持ち場を忘れて騒ぎ出す。
来ているのはわかってる。SNSは何でも教えてくれる。ネット上で絡む事は普通にあるけれど、実際に顔を合わせたのは一度きり。その時もフェスだった。軽い挨拶を交わしたその時から、ずっと心臓は穏やかじゃない。
同じグループで来ているわけじゃないし、偶然会える可能性は高くない。会えるかどうかわからない吊り橋効果が、このドキドキを助長してる。でも、会えなきゃ猛烈に後悔するのも重々わかってる。
さりげなく場所をアピールして、さりげなく動向を探って。さりげなく彼にこんなにも会いたいのだから神様お願い!たまには察して!
いっそ気球の上から叫んでやろうかな。あなたが大好きですって。
「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)