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第4回「評価されているけど好きじゃないマンガ」を聞いてみた【#マンガの話がしたい】

さて、マシュマロいただいた皆様ありがとうございます。
ちょっと期間をあけたせいなのか、「このマンガがすごい!」の時期と合わせいなのか、いろんなマンガがあってなかなか興味深い感じになっております。

毎度、恒例ですが、本企画は「世間では評価されているけど、わたしはどうにも好きじゃなかったな~」「みんな大好きだけど、わたしはちょっと……」「そもそも絵が好きじゃない」などなど。
マンガを読んでいて、世間的な評価と、自分のなかの評価にズレのある作品ってあるんじゃないでしょうか。そんな作品を事前にみなさまにマシュマロで募集させていただき、その理由とともに紹介する企画となっております。

作品を非難する意図はありませんが、皆様の好きな作品に対する否定的な感想が出てくる可能性があります。そういったものが苦手な方はお手数ですがブラウザバックでお願いいたします。

あくまでも「そんな意見もあるんだ~」という意見を共有するための企画ですのでよろしくお願いいたします。

第1回目第2回目第3回目はこちら。

では、第4回「評価されているけど好きじゃないマンガ」。
いってみましょう!


『ふつうの軽音部』

『ふつうの軽音部』です。音楽に興味関心がないと何が面白いのか一つもわからず…

ド初っ端に持ってこさせていただいたのは、押しも押されぬ人気マンガ『ふつうの軽音部』です。
――いやこれ、わたしも実は最初読んだときに思ったんですよ。幸いわたしは音楽も好きだしバンドもやってて、それがゆえに楽しさを余すところなく享受できる立場にありました。だからこそ、これはあくまでも「刺さる人には刺さる」作品なのでは?と。

しかしふたを開けてみると押しも押されぬ人気っぷり。
ここまで大人気になっているのであれば、音楽に興味がなくとも楽しめている作品になっていると言っていいはずです。実際、『ふつうの軽音部』読む前からandymoriナンバーガールを聞いたことがあった人は多くないのではないでしょうか。

もともとは音楽に興味ない人でも、第8話のはとっちの熱唱シーンなんかでやられた!とか、厘ちゃんの人心掌握戦略がツボなんて方は沢山いらっしゃるので、あまり音楽を気にせずに読み進めてみると、意外と楽しめたってこともあるかもしれません。基本は成長譚と青春群像劇なんですよね。


『今日、駅で見た可愛い女の子。』

COMICポラリス連載で完全にNOT FOR MEなだけなのは重々承知なのですが、くたびれたサラリーマンが駅のホームで女子高生(実は男の娘)を観察して脳内であれこれツッコミまくる構図が気持ち悪くてダメでした…。平成女子の懐かしアイテムを出すというコンセプトで変にバズっている?ような雰囲気なのでアニメ化とかしないか心配です。

30代~40代の女子、と局所的とはいえ、刺さりに刺さってる人も多数見受けられますね。

この作品、懐かし女子アイテムを次から次へと紹介するのがメインテーマなのですが、メインの女の子は男の子だし、おじさんは普通の営業マンで、実は基本女子が出てこないんですよね。
おじさんが女子アイテムに詳しい理由もいまのところ紹介されていないので、往年のキラキラアイテムを、おじさんが饒舌に紹介しているという部分に違和感を感じるのはわかります。正直、わたしも「なにこのおじさん……」って思ってます(笑

ただ――、つき詰めて考えてみると、つまりこれBLと同じ構造なんじゃないかと。要するに「あえて」女子性を欠如させているんです。
女子たちが集まって、当時はやった女子アイテムを語ったほうが圧倒的に自然なのですが、それをすると女子らしいめんどくささも想起されてしまう。

狙ってそうなったのかはわかりませんが、そういった「女子性の排除」という要素が、アイテムに対する純粋な注目を生みだし、人気の要因にもなっているのではないかなぁ……なんて勝手に思っているところです。


『葬送のフリーレン』

パッと思い浮かんだのは『葬送のフリーレン』。単純に魔王倒したのに魔族だらけなのがなんか納得いかないし、戦闘描写もショボくてのめり込めない。淡々とした部分は嫌いじゃないけど、そこまで評価されるものかね...と思ってしまいます。あとXの公式アカウントのノリが寒くて嫌い。

そう、結構ちょこちょこいるよな~魔族って感じありますよね(笑
根絶したとかそういう感じではなくて、現実で戦争が終結したときみたいに、完全植民地化とかではないものの、とりあえず交戦状態は脱したって感じなのでしょうか。

戦闘描写に関しては、あえて描いてませんよね。たまには真面目に戦ったりもしますけど、ときには1コマで終わったりするし(笑 そこが魅力じゃないんだという強い意思のあらわれかと思います。
わたしは過去と現在の両方を生きるフリーレンがかもしだす「郷愁」こそが最大の魅力かなと思っており、あのあたりの淡々とした描写が楽しめないとツライかもしれませんね。

公式Xのノリってのは、このへんのやつでしょうか。

これわたし最初、どっかのファンが勝手にやってるのかな……って思ってたのですが、フタを開けてみたらガチで公式でしたね。しかも結構しつこく投稿してますね(苦笑

えーっと、あとはまあ皆様の判断にお任せしてなにも言うまい(笑


『しれっとすげぇこと言ってるギャル。ー私立パラの丸高校の日常ー』

原作?のYouTube動画を一時期見ていたんですけど、主人公のダウナーツッコミがギャルの会話を盗み聞きして淡々とツッコむスタイル(ギャルと面識はある)で、段々不快に感じて今では苦手になりました。マンガの方は読んでません。もしかしたら全然違う描かれ方なのかも。

わたし、この前マンガ読んだんですけど、実はビックリしました。
いやTwitter(現X)では、トロッコ問題を女子が解決しちゃう話がバズってたんで、その話、会話劇的な印象があったんです。でもマンガ読んだら、会話劇は会話劇だけど、めちゃくちゃ超能力ギャルたちの話でした(笑

で、マロ主様がみられたというのはこちらですよね(話数は適当

さっきわたしが描いた「トロッコ問題」っぽい空気に近い気もするのですが、マンガとは……結構、印象違いますね(笑 だってマンガには超能力とか頻繁に出てくるし(笑

こっちのYouTubeチャンネルが元で、マンガが派生している感じですね。YouTubeのほうにも超能力的な話があるのかはわかりませんが、マンガはあえてそこからはじめているのでしょう。
ま、マンガも人気出てますし、少なくとも1巻のわたしの感想としては、かなり読み口が違うので、マンガはマンガで別物と思って読んでみてもいいかもしれません。


『ヤニねこ』

好きな方が多いような気がしますけど、個人的には下品過ぎて苦手です。

はっはっは(笑 大丈夫、みんな下品だと思ってますよ(笑
あとは許せるか許せないかのチキンレースですよ(笑 やっぱりギャグマンガはとがってないとダメですし、その過程で振り落とされる人も当然に出てきます。それに『ヤニねこ』って原作が複数人いるから、中の人同士で下品さ競ってるみたいなとこ、きっとありますよね(笑 それが面白さの源泉でしょうけれど、まさにチキンレースですね。

楽しめている人は下品に対する耐性が高い、限られた選ばれし人間なんで気にすることはない。みんな下品だとは思ってます(笑


『レッドブルー』

これは作品というよりジャンルとして「格闘技」が苦手です(無知なりにレッドブルーがジャンル内では人気なのかなと思い挙げました)。
刃牙などのような振り切ったものなら分かるんですけど、リアルな格闘技マンガって怖くないですか?みんな人間の暴力性みたいな部分が好きなのかなと思ってちょっと引きます。

これ、みなさんがどう思っているのかはわからないのですが、自分にてらして考えてみると、まさに「人間の暴力性」を好きで格闘技を見てる気がします。
いやもちろんマンガという形式になると、物語とか絵とかいろんな要素があるので、それだけを楽しんでいるわけじゃないのですが、ことテレビのボクシングとか格闘技とか、ああいうものの魅力は「暴力が肯定されるゆえの魅力」という部分から逃れられないのかなぁと。

ま、ただ前述したように創作物になると楽しみかたは違ってきて、『レッドブルー』だと、あのサイコパスっぽい一途なキャラクターとか、ライバル関係とか、いろんな物語としての楽しみにもあふれているので、「暴力的だから……」というだけで、読まなくなってしまうのも寂しいかもしれません。


『猫に転生したおじさん』

タイトル通りの内容ですが、背後霊のように描かれるおじさんのデザインが平成風(伝われ)のぽっちゃりハゲ眼鏡でただただ気持ち悪い。
詳しい内容は分かりませんが、人間時代のおじさんの上司(社長?)が猫になったおじさんを拾って愛でるらしいじゃないですか。そういうおじさんがおじさんを愛でる文化も気持ち悪い。『おっさんずラブ』とかに対するものと同じような嫌悪感を抱きます。
こういう気持ち悪さを全て計算した上で「猫」で包んで一般ウケを狙いに来てるその浅ましい姿勢に腹が立つし、実際にウケているのも納得いかない。「猫」を免罪符にするな。今年アニメ化したと聞いて絶句しました。

このへん男性か、女性かによっても見えかたが違うかもしれませんね。

「おじさん」って本来かわいくない生き物なんですけど、年月を重ねると不思議とちょっとかわいさ生まれる謎の生き物なんじゃないかなってわたしは思ってます(笑 
ほら出川さんって、一時期抱かれたくない男No1とかの嫌われキャラでしたけど、あるときからちょっとふくよかになって、キャラクターみが出てきて、現在は「危うくかわいい」くらいの立ち位置なんじゃないかと。

そして今作、例えばおじさんじゃなくて、かわいい女子高生とかだったらちっとも面白くないと思うんですよね。かわいいけど「だからなに……」ってなりそう。やっぱり「おじさん」という本来かわいくないはずの生き物がそこにいるからこそ、ギャップがうまれ、面白さにつながっている。なんならおじさんがかわいい気もしてくる。ネコに頼っているというよりかは、そこにギャップがあることこそがキモかなと。

あーあと『おっさんずラブ』はBLコメディだから、ちょっと一緒にしてはいけない気がします。でも部長はかわいいです。


『2.5次元の誘惑』

『2.5次元の誘惑(にごリリ)』のノリ苦手です。すみません、ちゃんと読んだことないんですけど、主人公の男の子がクソデカ感情みたいなのを叫ぶシーンを見て「キッショ!!!」と思いました。ここ数年で「オタク(その人そのものや趣味活動に対して)を肯定する作品」も増えたと思うんですが、にごリリはオタクを陽キャ的スポ根的な視点で肯定をしている感じがして「弁えろ」と思ってしまいます。まぁたかがハーレムものでしょ、と言われればそれまでなんですが…

わたしも序盤しか読んでいなくて、わりと皆さんがおっしゃる、スポ根?熱血?的なところまでたどり着けていない感じがしてなんとも言えないのですが、アニメもやってる人気作品ですね。

「オタク」のイメージっていうのが、結構、人によって差があるんじゃないかなぁっていうのは最近よく感じます。
それこそこの前テレビで、Z世代にオタクイメージを聴いたら「物事に集中できてカッコイイ」みたいな回答が大多数をしめてるのを見てビックリしました。物事に集中しているのは確かですけど、胸をはってカッコイイ「オタク」なんてごくひと握りじゃないですか(笑

あと世代的にね。わたしくらいの世代の人とか、もうちょっと上は、みんなオタクは日陰ものであるべきだという刷りこみをされているのではないでしょうか。だからまぁ「わきまえろ」とは思わないんですけど、自分ではとてもできないなってのはわたしも思いますね(笑


『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』

永田カビ先生は(あまりよく知らないのですが)ハードめなテーマやワードで自分を切り売りしてる感じが嫌です。 エッセイやレポ漫画というジャンル自体、物語を創り出せないけど漫画家では在りたい人たちの必死の足掻きみたいな印象があります。(何も生み出せない読者が言うのも大変烏滸がましいですが)

なるほど、確かにエッセイマンガが、自分を切り売りしているというのは過言ではないでしょう。ただ、「創作」っていうのはどこまで行っても切り売りなんだとも思います。結局、自分にないものは絶対に出てきませんから。

よく、「作家は自分の経験したものしか書けない」という言説が流行って、先生がたが「そんなことない!」って否定するっていうのがお決まりの流れみたいになっていますし、想像でなんでも生みだすことができるのが先生がたの強さであることは確かです。
でも、実際に経験したことには、それを経験した人にしかわからないこともたくさんあって、それが作品としてのおおきな魅力になっているケースもやっぱりあると思います
最初に出てきた『ふつうの軽音部』にも、これでもかってくらい「あるある」詰めこまれてますからね。あ、でも先生、軽音部じゃなかったって言ってましたけど(笑

そういう意味では、エッセイであれ、創作であれ、そこに貴賎はないかなって思っています。なによりどっちも面白いじゃないですか。わたし、コミックエッセイ大好きなんですよ。

SFとかファンタジーとか、壮大な物語に魅力を感じたい人であれば、エッセイマンガではその魅力を感じることは難しいでしょう。でも、身近な出来事の共感したいとか、目新しい知識を知りたいみたいな人であれば、エッセイのほうを魅力に感じる人もいる。

結局は、自分がどこに魅力を感じるかという話なんでしょうね。


後日、追記いただきましたのでそっちも追加いたしますね。

自分を切り売りしているという点はいいんです。「創作全般が自分の切り売り」だというのも同意します。ただ、永田カビ先生はその切り売りのスタンスが自分には合わないな、と感じて「嫌」と表現しました。
レズではないけどレズ風俗に行った話聞いて、アルコールでダメになった私を見て、過食嘔吐で吐きまくってるけどこの吐瀉物見て、と(世間的に考えて)それは他人に見せびらかすものじゃないだろというような内容を自分から摂取に行っておいて「私こんなにボロボロなんです」とこれ見よがしに描いている感じが嫌いでした。

なるほど。これはわかりますね。
切り売りするにしても、そんな部分を切り売りするのは正しいのかっていう部分ですよね。わたしは永田カビ先生が好きなのですが、わたしのなかにも「野次馬根性」とか「物珍しさ」みたいな、あまり褒められなさそうな感情で楽しんでいる部分はあるのは確かなわけです。それが、受け入れられない人ももちろん居るでしょう。それこそ、同じ病気をかかえた方とかであれば、タイトルを見るだけでイヤという人もいるかもしれません。

ただじつは最近は、このへんの「エグさ」とか「嫌悪感」を抱かせかねないマンガって増えてる印象があるんですよね。良くも悪くも、マンガがWEBで読まれることとかが増えて、みんなが同じように読む、というものが減っているせいで、よく言えば「多様性」に富んだ作品が増えてる

そんなわけで、まだまだ結構、キワドイ作品って増える余地があると思っていまして、自分的にはあぶない作品には近寄らないという処世術を身につけることは今後はより必要になっていくのかもしれません(笑


『じゃあ、あんたが作ってみろよ』

「じゃあ、あんたが作ってみろよ」です。
古い価値観のアップデートが主題となっていると思うんですが、話もキャラクターもそこに向かってまっすぐすぎて、いい意味での生々しさが感じられません。
キャラクターが作品の中で生きている感じがしないというか、全てが主題のための装置のようで。そのためかセリフなども薄っぺらく全く刺さってきません。現代でこうあるべきと言われている価値観の表面だけを撫でているような感じです。

「このマンガがすごい!」2025。オンナ編の4位ですね。評価されていますよね。そして、えっと――、今からぜんぜん関係ない話しますね(笑

わたし、この企画やっていて一番困るのが、自分の感想に近いマシュマロをもらってしまったときでして。「それな」って素直に言ってしまえば済むんですけど、あんまり率直にいったら頭ごなしに否定してるみたいになるじゃんって悩むわけです(笑

ちょっと古い価値観を抱えた男性が変わっていくっていうのは、それなりに今風のテーマだし、そもそも先生のキャラクターとかは好きですし、作品としてはぜんぜん好きな作品なんです。でも、これが評価として高いのは、ちょっと安直がすぎません?って思ったりするんですよねー、いやぜんぜん関係ない話ですよ?(笑

好きは好きなんだけど、わたしは『まめとむぎ』とかのほうが好きかなぁ~。いやまったく関係のない話ですからよろしく(笑


『断腸亭にちじょう』

闘病系のエッセイマンガ苦手です。本人にとったら自分に降りかかったこれ以上ないマンガのネタなのかもしれませんが、赤の他人の不幸話は素直に楽しめません。描かないとやってられないサガとは言え、大人しく療養に努めてください…という気持ちになります。
それはそうとガンプ先生、寛解おめでとうございます。

わかる……っていうか、いや結局これも、第何回目だかにもあった「対岸の火事」だからこそ楽しめる問題だと思うんですよ。
実際にガンになった人とかで、もう完治していれば別かもしれませんが、まだ闘病中で先もわからないっていう状態だったら、他人が闘病している姿をみたって楽しめるはずがありませんよね。

病気ものとかに限らず、自分との距離が近すぎるとか、身近に感じすぎてしまうコンテンツが楽しめないってことはもう仕方がないことです。ガンプ先生はとりあえず寛解ということで、おめでたいお話ではありますが、おなじガンのマンガでも、帰らぬ人となった作品もありますから。

余談ですけど、わたし以前、仕事してるみたいにな気分になって楽しめなかった作品があってね~っていう話をしたときにあげた作品が今度コミカライズされるらしくてですね。
好きな先生が絵描いているし、もう清水の舞台から飛び降りるつもりで読むつもりですが、中身のおもしろさに関係なく、たぶん血反吐です(笑

ムリに接することなく、自分が楽しめるコンテンツを楽しむことにいたしましょう(笑


『税金で買った本』

1ページも読んだことがない単なる読まず嫌いですが、ヤンキーが図書館でバイトして色んな人と関わっていくのがもう面白くない。ヤンキーは荒れて荒れて荒れた挙句、人生台無しになってほしい。

ヤンキーになにかイヤな思い出があるのでしょうか(笑
でも最近のヤンキーとかヤクザとかって、もはや記号みたいになってるとこあると思うんですよ。本当に悪いやつってほとんどいない。ただちょっとした「はみだしっ子」の記号みたいになっている。

ほら、『君と宇宙を歩くために』の小林くんもヤンキーですけど、髪の毛金色な以外はちっとも悪いことしてないでしょう。今作の石平くんも、率先して図書館手伝ってくれて、目つきは悪いけど、むしろめちゃくちゃイイやつなんですよ(笑
あと、ああいう子たちがいわゆる発達障害とかそういうのが理解されなかったがゆえに、世間から取り残されてしまった「かわいそうな子である」みたいなイメージがすこしづつ浸透してきたのも理由としてあるのかも。『君と~』なんてまさにそれですしね。

だからこう、ひと昔前のヤンキーとかのイメージよりも、なかなか周囲と仲良くなれなかった孤高の子くらいのイメージで、ライトに構えるのがいいような気がします。あ、でもわたしも昔、カツアゲされたからヤンキーは嫌いです(笑


『きのう何食べた?』

内容自体は全然良くて、ドラマも大好きなのですが、よしながふみ先生の作品って1コマにみっっっちり台詞が入っていて読みづらくて読みづらくて、なんでこんなことするの...?と思ってしまいます。あえてなんでしょうけど。

そうなのよ。よしなが先生のマンガはセリフ多いんですよね。
ただ、基本的には文字が多いわりには読みやすい、それも驚くほど読みやすい。と思ってはいます。

でも……、でもですよ(笑 わたしも『きのう何食べた?』を楽しく読んでいますが、じつはというべきか料理に関する部分は、基本ななめ読みしております(笑 だって細かく見てもわかんないんだもの(笑

料理する人であれば、レシピ自体にもっと興味を持つことができると思うのですが、あいにく料理はまったくやらないので、基本、料理始まったな!って思ったら、フィルターかかる感じですね。あ、でもドラマ見てからは、西島さんの声で再生するっていうこともするようになりましたけど、中身が入ってきていないことは変わっていません(笑

まあだから、さ……わたしとななめ読み仲間になろう(笑


『転がる姉弟』

ここ数年ずっと考えを巡らせている作品が『転がる姉弟』です。
ちょっと変わった義弟だけが明確にキャラデザが違う、ギャグマンガのような見た目になっているというのが導入のフックになっている作品だと思うんですが、1話を読んだときに思い浮かんだ「この作品って根底に"ルッキズム"が潜んでない?」という考えがずっと残り続けています。
ほかの登場人物と異なって光志郎だけがギャグマンガのようなキャラクターデザインをしていることが、「変わった外見だから変なキャラ(しかもこの作品で唯一そのような描き方をされている)」いう、どうしてもルッキズムを根底に抱えた表現のような気がしていて、
作品としては評価されている作品なのでこの表現を肯定する理由を見つけたいと思いつつ、その理屈が見つからないまま今まで来てしまいました。
結果として私は1話で脱落してしまったのですが、もし"ルッキズム"の観点踏まえて考察をして頂けるのであれば伺いたいです。

これまた痛いところをついてくるなぁ(笑
いやこれ……わたしも思ったことあるんですよ。たぶん1巻読んだあたりで。いくらなんでも弟のビジュアルには悪意?というか、そんなに違う感じに描くことある?って。

それで、現在のわたしのなかでの結論としては、これをルッキズムととらえるべきではない、という感じでしょうか。あくまでわたしの中ではですよ。これがルッキズムなのかどうかは、ルッキズムという言葉自体をどうとらえるかということになってくるんじゃないかと思っていますが。

たしかに容姿の描きかたには、かなり恣意的なものは感じます。
でも、弟くんのこのビジュアル……すっごく合ってるんです。彼の性格に。このビジュアルじゃないと、こうはならないというか、このビジュアルだからこそ、この性格というか。そこにまったく無理はなく、そういう人を描くための直線距離をむすんだら、あのビジュアルになったという印象でしょうか。

マンガが記号の集合体である以上、必要な性格にたいして、記号を当てはめるのは当然のことです。ヤンキーが金髪になるのと同じです。それが、「黒髪の日本人を否定している!」とはならないはず。――というか、そういうとらえ方をするべきではない、というのがわたしの考えでしょうか。

だから、兄弟のビジュアルには差はあるし、何らかの意図があったのは確かかと思いますが、それを否定的なとらえかたをしたくないし、純粋にいい作品だと思うので素直に作品を楽しみたいな、なんて思います。


『【推しの子】』

【推しの子】は個人的には全然面白くなかったですね... 物議をかもした終わり方を含む終盤ばかりが話題として挙がりがちですが、正直3巻か4巻くらいから何が面白いんだこれ?と思いながら最後まで読んでいました。
アニメ化され、良くも悪くも大衆向けとしてゴリ押しされた結果、作品の脆さ(つまらなさ)が露呈したとしか思えません。たけのこさんの【推しの子】の最終的な評価をお伺いしたいです。

なるほどなるほど。このパターンにおちいった人、きっと他にもいるんじゃないかと思います。要するに『【推しの子】』をサスペンスとしてとらえていたかどうか」ってことではないかと。
1巻の衝撃で引っぱり、その犯人捜し(?)をするっていうのが大きな作品を通した動機じゃないですか。ただ、この誰が犯人なのか?っていうサスペンス的な要素は中盤は結構、うすれちゃうんですよね。

いっこいっこイベントをこなしながら、少しづつヒントもらったりするんですけど、イベント中にはイベントに集中していて、本筋とは基本的に関係がない。もちろん最終的には回収されるわけですけど、中盤が10巻以上ともなれば、やはり今作を「サスペンス」としてとらえている人からすると、かなり間延びしてしまった印象ではないでしょうか。

しかもあの結論。あれで心から納得できた人はたぶんあまり多くないでしょうから、そういう人にとっては最終的な作品の印象も悪くなってしまったのかもしれませんね。そんな気持ちはとてもわかります。

――が、いっぽうでわたしの感想といいますよ、いい作品だったな~。面白かったな~。すばらしい作品だった~というものです。非常に満足した作品でした。(笑

というのもですね。わたし、そもそもサスペンスとしては最初からあまり期待していなかったんです(笑
アイを殺した犯人はもうわかってるんだけど、そいつに情報を流したやつが芸能界にいて……っていうのは、カッコイイ引きにしてはいるけど、ちょっと遠いな……とか思ってまして(笑 直で殺したやつを探すとかでもないし……教唆した(かもしれない)やつを探す?そのモヤっとして不確かな感じで何年ひっぱるつもりなんだ?みたいな(笑

じゃ、なにが楽しかったのかと言いますと、単純にキャラの掛けあいとか、普通の芸能界ものとしてすごく楽しかったんですよね。アイドルがいてリアリティドラマがあって、2.5次元ドラマとか。それぞれのキャラクターがそれぞれの思いを抱え、互いに火花を散らす感じがすごくよかったんです。

だからなんか最後らへんにきて、いろいろこねくり回してるな~とか思ったりはしましたが、まあ、わたし的にはわりと結論はどうでもよかったわけでして(笑 

もちろんサスペンス要素と、アイドル要素をかけ合わせた構造のたくみさ、みたいなものは高く評価されるべきだと思います。
そして、あの最後の流れは数あるルートのなかから「あえて」あのルートが選ばれているわけです。全方位良しみたいな結論も選べたはずなのに、選ばれたのは大衆に迎合しない結末。そのこころざしは褒めるべきだろうな、という結論になったわけでした。

もちろんアニメの楽曲「アイドル」のすばらしさが、作品の評価を後押ししたということもあるでしょうね。いい曲ですんもんね。わたしも大好きな曲です。


まとめ

さて今回は以上の15個でした!マシュマロ頂いた皆様、ここまでお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。1万字超えてしまったよ。まあ、興味ある作品だけお読みくださいませ。

次回やるかどうかはぜんぜん未定ですが、もし楽しかった!次回も読みたい!という方がいらしたら、どこかでなんかの反応をください(笑 よろしくお願いいたします。

せっかくなので、2024年に置いていくことにいたしましょうか。皆様ありがとうございました。来年も皆様の良きマンガライフを願っております!


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たけのこ
「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)

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