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#6- 朝ドラ「とらつば」を語る持ち込み企画③新潟地裁編とユリユリの推し活

こんにちは!
アジアを研究する者たちのサードプレイス…「アジ研サードプレイス」です🙌

このPodcastは、千葉県に所在する、とある研究機関に勤める研究者・ないとうさんと研究マネジメント職・ユリユリが、おすすめ論文・記事をピックアップしながらゆるくおしゃべりする私的Podcastです。

前回に続いて、ユリユリによる持ち込み企画「中国の司法機関を研究テーマに取り扱う研究者・ないとうさんに見てほしい、ユリユリ的朝ドラ『虎に翼』の3つの見どころ」の3つ目をご紹介。
研究に出張に大忙しのないとうさんのために、ユリユリが勝手に「とらつば」でないとうさんに観てほしいシーンを語ります!
※ないとうさんがネタバレOK民のため、好き勝手語ってしまいましたが、本企画はネタバレを含みますのでご注意ください。

今回ユリユリが語る3つ目の見どころは、「新潟地裁編」
主人公の寅子は、民法改正や家裁創立に携わったのち、新潟地家裁に異動することとなり、その新天地で様々な出来事に直面していく一連のお話。

大地主との、山の境界線を巡る裁判に、地元の弁護士から「地元の有力な人に取り入った方が後々楽になる」と進言され、困惑する寅子。その土地で争いごとが起きた時に求められるのは、法に基づいて公平に裁くことではなく、いかに穏便に解決できるか、そのために弁護士は動くのだと言われます。
ユリユリが、この話を見てまず思い出したのが、中国の司法機関について調査に取り組んできた、ないとうさんの研究
元々、中国において中央が作った政策が実際に現場ではどのように実施されているのかに関心があったないとうさん。地方の司法機関に着目して研究した結果、中央と地方の間に“ギャップ“が見えてきたことがわかった、というのが以下の研究成果です。

Who Are Professional Judges in China? Understanding the “Rule of Law” under the Chinese Communist Party

ないとうさんが現地で聞き取り調査などを行って見えてきたのは、法律知識よりも「人情」を優先する法曹人材の姿。
中国の法曹界では沿海分と内陸部でエデュケーションギャップが大きく、裁判官の知識を平準化するために司法試験が導入されたのが2001年。
法律知識の平準化を求める中央からの要請と、地域のニーズに板挟みになりながらも、その地域の法曹人材に求められるのは、法に基づいた判決よりも、地域にとって望ましい判決を出すこと。争いごとをいかにうまく調整するか、そこに技量が求められるということだったそうです。
まさに「とらつば」と全く同じ構図!?

また、「とらつば」をきっかけに、上の研究でないとうさんが行った聞き取り調査や今後の展望などを聞き出します。
ないとうさんのような一研究者が、権威主義国家の司法機関で調査を続けていくのは、昨今ではなかなか難しい状況になっているのもまた事実。
そもそも、その地域からすれば“外国人“である我々がなかなか調査に入っていけないところもたくさんある中で、どのように研究テーマを組み立て、どのように調査を行うのか、地域研究を志す者にとっては悩みのポイントだと思います。しかし、ないとうさんに言わせれば、やっぱり「現地に行けるなら、行けるうちに行っとけ!」が最も効果てき面のようですね。。

そんなこんなで、ドラマを見ていると、推し研究者の研究と比べてしまう…という推し活が大いに捗り、ユリユリは大変満足したのでありました。

とらつば持ち込み企画はこれにて終了、次回より通常回(おすすめ論文・記事の紹介)に戻ります。

ご意見、ご感想はajiken.wakaba@gmail.comまでお気軽にどうぞ。
それではまた次回お会いしましょう、またね!👋

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