はじめまして宝塚
宝塚に行きたい
ミュージカルやコンサートなどのエンターテイメントが好きな私は当然宝塚の舞台にも興味があったのだけど、宝塚のチケットってイマイチ取り方が難しい、そんな印象だった。いや今も慣れただけで開かれた方法ではないと感じておりますが!?
そうして行きたい気持ちだけがすくすく育ちつつ足踏みをしていた私が動きだすきっかけになったのが、白い軍服姿にキュッと上がった涼しい目元が美しい柚香光さん。
これだ!私が思い描く宝塚!君に決めた!
たしか昔ネットで調べたときに初めての観劇は一本物より二本立てがおすすめと書いてあった気がする。
これは「うたかたの恋」「アンシャントマン」タイトルが連なっている。二本立てだな、合格。ちなみに二本立てとは芝居とレビューで構成されているものらしい、楽しそう。
チケットまでの道のり
そうと決まればチケットを取らねば。
毎年毎年「今年こそ宝塚に行く」という目標を掲げながらどうやって申し込むの?とぼんやりしていた私ですが、燃料さえ与えられればスイスイ走るオタク列車。どうやら友の会というのが宝塚でいうファンクラブらしい、これに入会すればいいみたい。
かつて私の青春時代を彩ったあの事務所も、今やネットで即入会の時代。青い振込用紙の束を手帳に押し込んでいたのも懐かしい記憶の中です。
ということで当然のようにネットで瞬時に友達になれると思ってたのだけど、クレカ付き!?ということは審査の時間が!?クレカが付いてないのもあるけど!?こちらも審査が!?なんの!?友情って難しい。
もうクレカは増やしたくないし、無しでいいか。謎の審査にかけられたのち無事入会(その後Vpassも申し込まなきゃやってられんと結局クレカ付きに乗り換えるのであった)
これで準備万端。柚香光さんの申込みにも間に合ったぞ。というか光と書いて「れい」と読むのね、名前までかっこいい。
程なくして送られてきたメールには第1抽選という文字。なるほど最初はSS席のみでお手合わせなのか。って明日からかいな、先着じゃないんだから開始時に連絡してくれよ。
この前日連絡システムにより以後、幾度となく申込みを忘れます。というか第2抽選も早速忘れました。ばかやろう!!!
しかしまだ予科生にもなれない知識と経験値だったこの頃の私は「抽選を忘れたなら先着で取ればいいじゃない」と観劇ヤクザのマリーアントワネットになり、友の会先着に向けて気持ちを新たにしていたのでした。日の出を待たずしてみんなが15分置きにリロードしていることも知らずに…
そんなこんなで初めての宝塚チャレンジは自業自得も相まって惨敗に終わりました。傷を負いながら成長していくオタク。
はじめまして宝塚
ひとまず会員という資格を得た私は気まぐれに申込みをしていたものの、二本立てがいいだとかまずは日本物より洋物を観たいだとか初めて観る場所は宝塚劇場がいいだとか、ビギナーなりのこだわりという名のワガママもありなかなか観劇には至らず。
そんな私に降って湧いたのが「パルシステム貸切公演」のチケット。あんなに友の会の入会に奮闘したのにパルシステムかい!関係ないけどパルシステム貸切という言葉の実家みがすごい。ファミリーしかいなそう。
記念すべき私のはじめまして宝塚となったのが「ライラックの夢路」「ジュエルドパリ」の二本立て。
華やかなトップコンビがデカデカと載ったポスターも景気がいいじゃないか。ん?新トップコンビお披露目?よくわかってないけどめでたそう。そういえば後ろの朝美絢さんってときどきSNSで話題になってる方かな。
肌を焼く陽光が降る7月の日比谷。
初めて足を踏み入れた東京宝塚劇場は赤い絨毯と大きな階段、煌びやかなシャンデリアが印象的な明るく爽やかな内装。軽食や物販もある広々としたつくりは遅刻したときもぎりから座席までの距離に泣きながら駆けるタイプの会場だ。
着席してまず「右も左もみんなパルシステムユーザー」ということを思い出し謎の安心感が生まれる。あの牛かわいいよな。
開演数分前に幕が上がり、それと同時にみんながスマホをスッと構える。なるほど宝塚は始まる前であれば撮影が許されているのね、その界隈ごとの文化を感じる瞬間ってなんだか興味深い。
「ようこそお越しくださいました」と会場に響く声の主は雪組トップスター彩風咲奈さん。非日常世界への招待に相応しい、凛とした声だった。
一目惚れ
一幕が終わり、弾かれたように席を立つ人の波に乗りトイレ列に向かう。思考はまだ熱を帯びていた。というのも、今日「誰かを好きになる」とかそういう心づもりが全くなかったので、突然のことに動揺していた。
かつてオタクの合間に人生を送っていた私も随分と落ち着き、今は嗜み程度にコンサートや舞台を楽しむオタク余生の真っ最中。
だからね!?ここからまた誰かに夢中になる未来はないかなと思っていたんです。
振り返ってみるとほとんど一目惚れだったのだと思う。朝美絢さん、彼女の気高い美しさに目を奪われてしまった。
言葉を並べるより先に感情が動いてしまう、心掴まれるこの感覚に久々に出会ってしまったのかもしれない。
しかし同時に、長年アイドルオタクを経験した分この衝動がもたらす生活の変化もそれなりに知っているのでね、そう簡単に飛び込むわけにはいかないぞと、だけどこの後レビューの朝美絢さんが見れることにそわそわし過ぎてることがもう答えだろと、まあまあ待ってくれよと!!!
現在
あれからおよそ8ヶ月。朝美絢さんをはじめとしたタカラジェンヌのみなさんに夢中な日々を送っています。イェイ!
あの日確かめるように双眼鏡で見つめた朝美絢さんは、やっぱり私の心のど真ん中に刺さって消えることはなく。彼女の歌声に、芝居に、ダンスに、視線に、佇まいに、表情に、目が離せなくなっていた。
降参です。これはまごうことなき恋です。好きです。
朝美絢さんの内側を知るたびに魅了される今日この頃。
ゆっくりとおだやかに、少しでも長くこの優しくあたたかな時間を抱きしめていけたら、なんて思っています。
そしてどうか劇団が正しき方向に向かい、誰もが健やかである場所になることを願っています。
あとがき
昔から自分の「好き」と真正面から向き合ったり、時には人に見せたくないような醜い部分をさらけ出す熱量のあるオタクの文章を読むのが好きだった。そして自分も書いてみたい、そんなこともよく考えていた。
この言葉に背中を押され今回ペンを執ってみました。
まずは自分のために。日々に灯った光を少しずつ言葉にしていけるよう、今年はnoteを開こうと思います。
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