米国キャンプデービッドを訪問した岸田総理は、日本時間の19日、バイデン大統領、尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領との間で、日米韓三か国首脳会談を開催し、「キャンプ・デービッド原則」「日米韓首脳共同声明」「日本、米国及び韓国間での協議するとのコミットメント」を発表しました。

三か国はインド・太平洋の平和と安定のため、当面する諸課題に対して共同で対処する旨を表明しました。外交・安全保障に加え、経済、研究開発、サプライチォーン問題でも連携を深めていくことになります。

ロシアによるウクライナ侵略、北朝鮮の核ミサイル開発、中国による台湾への圧力を念頭に置いたものと見られます。

発表された合意内容の重要な部分は次のようなものです。

[日米韓首脳会合の少なくとも年に1回の開催]

少なくとも年に一度、対面での日米韓首脳会合を実施する。

[日米韓外相・防衛相・財務相・経産相・国家安全保障担当局長会合の開催]

日米韓の外務大臣、防衛大臣、経産大臣、国家安全保障局長は、少なくとも年に一度、日米韓会合を行う。会合は三か国が持ち回りで主催する。また、日米韓の財務大臣は、初の
会合を開催する。

[日米韓インド太平洋対話]

インド太平洋に対する三か国それぞれのアプローチを連携させるため、局長・次官補級のインド太平洋対話を年に一度開催する。

[外部からの情報操作等への対応]

外部からの情報操作及び監視技術の悪用による脅威が増大していることを受け、これに対処するための三か国の取組において連携する方法について議論する。

[海洋安全保障に関する日米韓協力枠組み]

海上保安及び海上法執行に係る能力構築や海洋状況把握に焦点を当てた形で、東南アジア及び太平洋島嶼国に対する能力構築において協調するため、日米韓の協力枠組みを立ち上げる。

[北朝鮮のサイバー活動に係る日米韓ワーキンググループ]

北朝鮮によるサイバー空間を悪用した不法な収入獲得や悪意あるサイバー活動に連携して対抗すべく、三か国の関係省庁によって構成される、日米韓ワーキンググループを立ち上げる。

[日米韓共同訓練計画]

三か国共同訓練を複数領域において毎年実施することなどを含む、複数年にわたる共同訓練計画を策定する。

[北朝鮮のミサイル警戒データ共有に係る協力強化]

2022年の首脳会談で合意した北朝鮮のミサイル警戒データをリアルタイムで共有するためのメカニズムを稼働するとの決定を確認する。また、本年末までにこのメカニズムを運用することに改めてコミットする。

[三か国の国立研究所間の協力]

科学協力を推進し技術革新を主導するため、三か国の国立研究所間の協力を追求する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?