見出し画像

施肥について

施肥は大きく分けて2つ

施肥は大きく分けて2つあります。
収穫後、疲れた樹に即効性のある肥料を与える『礼肥』と来年のための養分として与える『元肥』で、それぞれ9月上旬と10月下旬(半分落葉した)頃に行います。

肥料の3大要素

施肥量は、窒素リン酸カリを土壌の成分を考慮した上で決定します。
成木における施肥量(kg/10a)は、礼肥で3・4・3、元肥で11・6・9です。
ちなみに、窒素は茎や葉を育て、リン酸は花や実つきを良くし、カリは根の生育を促進する栄養素となります。

有機肥料と化学肥料

有機肥料とは、動植物などの有機物から作られた肥料で、化学肥料より栄養素は低く即効性はありませんが、持続性があり土壌改善の効果が期待できます。
土壌改善の具体例としては、土の通気・保水・排水性が向上、微生物増加による病害虫の抑制、連用による保肥力アップが挙げられます。

化学肥料とは、化学的方法で製造された肥料で、栄養素を多く含み即効性がありますが持続性が低めです。必要以上に使用したり、牛糞堆肥などを使わずに化学肥料のみを連用すると、土壌の保水力や保肥力に悪影響を及ぼします。

施肥のタイミング

樹の成長には栄養成長と生殖成長の2種類があり、栄養成長は葉や根など樹自体を大きくするもので、生殖成長は花や実を大きくするものです。
よって、花が咲く頃から養分をカットすることで栄養成長から生殖成長へ切り替わり花実に優先的に栄養を送らせます。
このことから、元肥は半分落葉した10月下旬から11月初旬に行います。元肥の施肥時期が遅れると、翌年の成熟期に遅効きして果実品質の低下の恐れがあるので注意が必要です。このとき、有機肥料と化学肥料を併せて使用すると良いでしょう。
礼肥は、翌年のための栄養を落葉までの間に光合成で蓄える樹に対し、補助するために9月上旬頃に行います。ゆえに、礼肥は即効性の高い化学肥料が効果的です。

撒き方

窒素流亡を抑えるため、施肥は根の多い樹の近くに行い、樹間部や園周辺部には行いません。ただし、根本ではなく根のはりを考慮した根本から1m以上離れた箇所に撒くようにします。根のはり具合は、枝の成長度合いとほぼ等しいと言われています。
また、有機堆肥を撒いた後は、土を機械で混ぜて空気を土の中に入れると良いでしょう。

肥料の選定

施肥量や必要成分は前述のとおりです。
では、いったい何を撒いたら良いのでしょうか?
調べてみると肥料の種類はたくさんあり迷ってしまいます。
ここで重要になるのは土壌の分析です。
まずは土中の成分を調べ、栄養の過不足がどうなっているのかを理解してから肥料を選ぶのが良いです。
一度、最寄りのJAに相談して下さい。
また、栄養とは別に土の物理的な状態にも留意が必要です。
植物の成長に適した土とはひとことで言うとフカフカな土です。
土が硬いと根の張りが悪くなったり、水はけが悪くなったり、逆に水や栄養が抜けやすくなったりします。
フカフカな土づくりに有効で安価なものが牛糞と言われています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?