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06.『続ける』ことより、『続いてしまう』が、好きなこと。
※『珈琲考。』は、2020年に会津で開業を予定している珈琲屋の構想noteです。
『継続は力なり。』なのだと、小学校の校長先生が言ってた。
いまだに憶えているってことは、よほどインパクトがあったのか、それとも『校長先生の話はよく聞きましょう』ないい子だったのか。
今となっては、はて、よくわからない。
とは言え、この言葉、子供の頃より大人になってからの方が身に染みて感じることが多い。
『続ける』ことが、大事にされる。
老舗のお店や、伝統工芸、職人、手仕事的なものや、イチローよろしく、スポーツ界。
ぼくの大好きなほぼ日も、とかく今は、『続けている』ことそれ自体が評価される対象になりつつある。
だけど、本当は違うのかも知れないなぁと。
『何年も続いている』ものや、人、会社は、それを『続けている』意識はないのかも知れないと思うようになった。
本人は、『続けて』いるつもりはなく、『続いて』いるのではないか。それは、もちろん、今日はもう寝たいなーとか、風邪ひいて体調悪いなーみたいな時はあるし、そういう時は頑張ろうと思ったりするかも知れない。
ただ、普段からそんな『頑張ろう!』でやってたら、実際には続かないんじゃないかな、と思う。いつの間にやら『続ける』ことが目指すところになってしまって、つまりはその状態を維持するだけでいっぱいになってしまうんじゃないだろうか。
ぼくにとっての『珈琲』はどうだろう?
ちょうど10年ほど前。ぼくは盛岡にいた。
大和証券に新卒で入ったのち、東京の八重洲で研修を受けると、すぐさま東北は岩手の盛岡支店へ配属になった。
おそらく、辞めないだろうお思われたのか。それとも、辞めても支障ないところに送られたのかは定かではない。
ただ、ぼくにとっての盛岡時代は、彩り豊かなとてもおもしろい3年間だった。
飛込みの営業などもして、初めてできた大口のお客さんは、地元でも有名な老舗喫茶店のオーナーだった。
そんなこともあって、喫茶店という場所が好きになり、盛岡に点在するありとある喫茶店に通うようになる。
ぼくと珈琲の出逢いはそれがきっかけ。
元々、母が珈琲が好きでよく飲んでいたのだけど、ぼくはいつも緑茶派だった。
盛岡は、昔も今も、とても素敵なオールドファッションな喫茶店があふれていて、特に有名でもないようなお店であっても、それなりの風情があり、皆、こぎれいにして、しゃんとした店構えをしている。
喫茶に、プライドがあるのだ。
グアテマラ、マンデリンに出逢う。
ふと入った、古いビルの一室にある喫茶店。
ここ2年ほどは盛岡にも行ってないので、お店がどうなっているかはちょっとわからないのだけど、いずれにしてもマスターは元気にしているみたい。たまにインスタで、様子を見ることがある。こんなお店だ。
漸進社
ぼくはこのお店で、美味しい珈琲に出逢った。
たまたま偶然だったし、聞いたところによると、航空関係の仕事を脱サラして店を出したばかりのタイミングだったとかなんとか。
その時は社会人1.2年目だったし、まさか、自分が将来『珈琲』の仕事をすることになるとは、思いもよらなかった。
そして、今でもたまに、そう思うことがある。
ただ、これが『続いてしまった』のだった。
最初は、自分が飲むためだった。
そのうち、結婚をすると、妻の珈琲を淹れるようになった。それも毎日。ほぼ、毎日だ。
自分の中で努力とか、大変さとかを微塵にも感じることがなく、ほぼ毎朝、お気に入りの道具で、ゆっくりと珈琲を淹れ、妻のサーモスに熱々を注ぎ入れる。
そこまでが朝の日課だ。
その所作を、愛している。
結局、人に淹れて、自分は飲まない朝もざらにある。むしろ、その方が多いくらいだ。
でも、その行為を、所作をしている自分が好きで、頭を使うこともなく、腕から先が勝手に動いている感覚。瞑想状態だ。ぼくは、珈琲を淹れている時が一番リラックスしているし、マインドフルネスに入るのだろうと思う。
深呼吸のできる場所。
そんな時と場が自分にあって、よかった。
今となっては、『珈琲』というものにとても感謝している。ぼくに、自分を定点観測する場と機会、時間をくれたのだから。
自分の一番身近な行為が生み出す時間。
その中で、ぼくは息をしている。
限りなくため息に近い深呼吸を。
「限りなくため息に近い深呼吸ができる場所」
— 小川大介/Aizu Lab. (@AizuLover) April 3, 2018
LIFEのために必要なだいじな場所。
このままお店の名前にしたいくらいだ。 https://t.co/XFCe5h4Cf5
ぼくも誰かの応援をしようと思います!