見出し画像

声なき声に思いを馳せて、からの

 さす画太郎センセイ……。

 ネタバレだからほんとうに読んでほしい。そもそも3分で読めるから読んでほしい。なんなら一番大事なオチである「あとがき」で3分かかって合計6分かかるけど読んでほしい。


 ……読んだよね?


 ウソつけ! 読んでねえだろ! だいたいネタバレ禁止警告とか引用記事とかおまえら読まずに進むだろーが!! 俺ァだまされないね、なぜなら俺も読まないからだ。わたしがエビデンスだ。



 いやまあこれで読んだよね。さすがに読むよね。「あ、これフリじゃなくてガチのやつだ」って圧をちゃんとかけたよね。ここまで腹を割って話したんだから読むよね。真の漢なら信頼を反故にはしないよね。

 だよね~。


 ウソつけ! やっぱり読んでねえだろ! だいたい「読むなよ…読むなよ…(読んでほしい)」とか言われたらいっそ読まずにいっちゃお〜☆とかあまのじゃくマインド出すだろーが!! 俺ァだまされないね、なぜなら俺もあまのじゃくだからです。わたしもまた特別なエビデンスです。



 ……じゃないんじゃ。

 いやマジでこの先読んだらぜったいおもんないからね。なんならここまで読んでから引き返しても期待値がアガりすぎてつまんないからね。もう遅い。おまえはいつもそうだ。一番だいじなものを、守れない。



呼吸をととのえろ……
スゥーッ、ハァーッ!(静かな呼吸)
スゥーッ、ハァーッ!(どう見ても静かに見えない呼吸)




 いやホンマ画太郎先生、冒頭からの「ジャンプラ読者はバカ」煽り、からの古典文学はいいぞ、からの声なき声マイノリティに思いを馳せる──じゃないんじゃ。なにをゆっとんじゃボケが。光の社会問題戦士も、闇の社会問題魔導士も、どっちの気持ちも「わかる」からやめろ。おれたちをまとめてバカにしないでくれ、バカにしてないんだろうけどバカにしてるようにしかみえないから笑ってしまうだろうが。

 まったく。あまりの「ただしくなさ」に口角が引きちぎられて死んでしまうところであったわ。ちょうどいまのマイトレンドが「光はほんとうに光なんですか?」「闇はほんとうに闇でいいんですか?」「人間はいにしえの進化のくびきからまだ脱出できてないよね?」「ところで古典で温故☆知新してウケるとよくね?」だからこう……ね。

 「真の」あたまいいムーブしたい☆とか思ってんじゃねーぞこのバカと無知がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

 こうゆわれてる感じ。こんなんウケて勃つわ。光と闇を知り、五行にもとづき風水にいそしむハチワレを猫吸いして進化なんとかなれ~をマウンティングゴリラするウッキウキのサル社会ゲーム。疲れすぎたおれたちに供される、これこそ真のピンク教育だ。頭にお花畑を生やし、頬を櫻色に染めて鼻水神拳を振り回せ。

 脳を……自由にリラックスさせるのだ……。

 マジメに光をやって声なき声をひろうとストレスと不都合な事実陳列でアカンこれになる、じゃあ闇でってことでアウトローにエラそうなヤツらにローキック。そんなして結局、自分は救われるわけでもなく怒りの散らし寿司をちゃぶ台返しする民たち。なあもういいから笑っとけ。やめとけ。と言ったところで怒り心頭の「被害者たち」は笑うだけの力も残されていない。自己救済にいそがしくて救えないひとびと。

 笑う声なき声に思いを馳せる。

 そのあと光の研鑽に励むにせよ、闇の旅を再開するにせよ、笑う門の風水道化士をやるにせよ、まずは自らハジケリズムを自由に体現し、しかし適度なテンション──緊張と歓喜──を高める環境をととのえ続けなければならない。

 画太郎センセイの舞台裏に思いを馳せるとき。ハジケの裏にケジメあり。爆発には収縮が必要。悲しければこそ喜ぶ必要が生じてうれシーサー。倫理のダブルバインドをブチ壊すべきときに備え、今後とも心のボーボボ☆画太郎☆ウサギがヤハる準備体操に励む所存である。用法容量をまもってただしくアホにならねば。

「シーサー警察です。あなた狛犬ですよね?」
「いえ。シーサーです」
「犬顔のように見えますが」
「いえ。猫顔ですよ」
「ところで紅葉が見頃ですが、もう今から桜が恋しくて……」
「気が早いですね。5ヶ月くらい先なのに」
「狛犬だ。連れて行け」

いいなと思ったら応援しよう!

aizuk
われわれが深淵を覗くとき、深淵もまたわれわれを覗いているのだ……