第一弾 「とらドラ!」一話 レビュー
長井龍雪(監督). (2008–2009). とらドラ! [テレビアニメ]. J.C.STA
こんにちは。今年ももう終わりですよーーー何てうだうだ言っている間に、2025年に片足を突っ込んでしまっている今日この頃。もうアニメをみるしかない!と幸せな自暴自棄に陥っているのはこの私、らーゆと申します。
アニメ一話レビューウィークという何とも語感の悪いイベントですが、優しい目で見ていただけると嬉しいです。
このイベントの華々しいスタートダッシュを飾る作品は”とらドラ!”でございます。
皆さん「とらドラ!」をご存じでしょうか?まず簡単に概要を説明させていただきます。
「とらドラ!」
2008年10月1日 - 2009年3月25日に放送されたアニメーション作品。原作者は竹宮ゆゆこ先生。監督は長井龍雪。制作はJ.C.STAFF。
竹宮ゆゆこ先生は、「とらドラ!」を2006年から2010年まで連載されていました。現在では、一般文芸を主戦場とし活躍されています。文体はライトノベルでありながら文学のにおいも感じるもので、センチメンタルな少年少女の情動を、読者の心に刻むようなそんな文章を書かれるお方です(間違ってたらごめんなさい!ちゃんと読んでるけど、文章とかの評価ってムズイ!)。「とらドラ!」は原作も読みましたが、もちろん最高でした。
監督の長井龍雪さんは、著名な作品を様々手がけています。例えば、「アイドルマスター XENOGLOSSIA」,「とある科学の超電磁砲」,「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」,「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」,「心が叫びたがってるんだ。」など、超有名で少し寂しい感じの作品をよく手掛けられます。何かは見たことある人は多いのではないでしょうか。そんな監督の、初期の作品がこの「とらドラ!」なわけです。
そして制作のJ.C.STAFFは「少女革命ウテナ」,「真月譚 月姫」,「とある魔術の禁書目録」,「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」などを手掛けています。いったんこのリンクを踏んでみてください。J.C.STAFF。あのですね。まさに、あの頃の私たちを形作った作品を大放出されている制作会社さんです。J.C.STAFFさんに青春を曲げられた方もいるのではないでしょうか。いい原作をいいクオリティでたくさん提供するのが持ち味の制作会社だと思います。
また、声優さんも豪華です。釘宮さん、堀江さん、喜多村さんの最強三銃士。ヒロインみんなが最高のキャスティング。その掛け合いも最高のシンフォニーを奏でます。
そして肝心のあらすじです。
暴れん坊の手乗りタイガー逢坂大河ちゃんと、目つきの悪さもあって周りから不良に思われる高須竜児。この二人が、お互いの親友に恋をするんです。大河は竜児の親友に、竜児は大河の親友に恋をします。そしてなんとなんと、大河と竜児のおうちは隣同士だったのです。なんやかんやあって、お互いの恋を助け合う、二人はそんな関係になっていき、恋は進展したりしなかったり。そう「とらドラ!」は”超弩級のドタバタ学園ラブコメ”なのです。
全24話の名作アニメです。日常回もありますので、ゆったりぎっしり楽しめると思います。すぐ細かいレビューに入ってしまっては、皆さんの興味を引くにはいささか不適切であると思ったので、最初に大まかなレビューをしてから、一話の細かいレビューをしていきたいと思います。
「とらドラ!」は青春
こう思っている人は少なくないと思います。中学二年生のころに初めてこの作品を見た私は、この「とらドラ!」を青春そのものと勘違いしたまま、三年くらい過ごしていたものです。
24話をかけて描かれる緻密な恋模様。簡単な三角関係に終わらせず、抽象的に描くそれぞれの葛藤。
最初に見た時はわからないこともいろいろありました。ですが、何度か見ていくうちにみんなの気持ちがわかってきて、そして視聴者みんな亜美ちゃんが好きになりました。
キャラクターみんなが、自分の幸せのため、そしてその幸せに含まれる他人の幸せのために動きます。この作品に悪役はいません。ですが、その心づかいが衝突を生んだり、心に傷をつけたりするのです。そうやって青春真っ盛りの、間違いだらけの彼らが、どんな終着点にたどり着くのか、「とらドラ!」はそんなお話だと思います。
ストーリーのすばらしさに飽き足らず、キャラクターも素晴らしい。逢坂大河というバカかわいいに、釘宮理恵というバカかわいいを乗っけたら、それはもうもうもうもう、お判りでしょう?????ツンツンツンデレな釘宮さんのかわいさは天元突破しております。もちろんみのりんもあーみんも好き。クラスメイトだって憎めない。なんてったって主人公の高須竜児は聖人だ。
OPEDも素晴らしく、私はたまに泣いちゃう。オレンジって名前の曲には名曲が多い気がする(俺妹のキャラソンにもあるよ)。
作画も目を見張るシーンが多々ある(ちょっと間の抜けたところもある)。特に中盤の先輩の教室に乗り込むシーンは、私のアニメ人生の中でベストシーンといっても過言ではないだろう。
いろんな要素が優しく掛け合わさる「とらドラ!」。大切な人、モノを思い浮かべて、優しい気持ちで見るのはどうだろう。
※※※※※※※※※※※※※ネタバレ注意※※※※※※※※※※※※※※※
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第一話 「虎と竜」 Aパート
「この世界の誰一人、見たことのないものがある」
そんな竜児のポエムから、「とらドラ!」は始まる。原作では、最初と最後に反復されるセリフで、とっても意味のあるものだ。この解釈は見た人がそれぞれしてほしいので、ぜひ見てください。
竜児の部屋の雰囲気はなんだかジメジメしていて、平成を感じる。テロップのぼやぼや感も平成を感じる。平成って平静な気分にしてくれるよねーって思った。なんだか落ち着く。
ポエムは続く。ここには書かないけれど、いい感じに臭くて、いい感じにいい感じのポエムだ。まぁさ、「とらドラ!」って言っちゃってるからな。”虎”と”竜”の話でラブコメだぜ??????これ以上は野暮だから言わないです。
振り向きざまの大河かわいすぎません???????????くりくりしたお目目と、栗色の髪の毛。天使みたいだーーーーーーー。
魚眼レンズを使いますね!開始二分半の時点で二回も使っています。シュールを演出しているのかな?
序盤は竜児と高須家の説明。ギャグをちりばめつつ、スムーズに進んでいきます。お見事。
竜児のコンプレックスと、前髪を下に向かって触る癖が印象付けられています。
親友の北村と、好きな人の櫛枝が画面に入ってくるのもスムーズ。あくまでもアニメ世界のペースは崩れない。
だがしかし、大河となると変わってアニメ的な表現を多用。劇半も変わるし、緊張感がある。
大河のパンチのモーションと、そのあとのふんっみたいな顔が最高。
あとねあとね、この話が、高校三年生の話なのも、逃げ場がなくていいですよね。高校生の恋は高校生のうちに始めるか終わらせるかしないといけないですからね。
Aパートは人物説明を丁寧にしながら、視聴者にキャラクターの印象をつけていきます。この時点でキャラの内面のにおわせをしたり、深堀はしないところが丁寧だなぁと思います。その中でしっかりと、この話の中で大事な事件への導火線を引いていく。大河襲来への道行はあくまでスムーズに、でも襲撃のインパクトは損なわないようにできていると感じました。
そしてAパートが竜児の「寝よ」で終わっているところが、すんごい良いです。まだ説明できないけど、すんごいいいんです。
BパートそしてED
すぐさま大河襲撃。泰子の回想とAパートの「寝よ」で生まれた気のゆるみが、一気に引き締まります。
このアニメは格闘アニメだったけって思わせるほど、戦闘の作画がいい。竹刀を受け身する竜児の痛がるリズムが独特で見ていて楽しい。手の書き方とかもこだわりを感じます。
そしてやっぱり大河が可愛い。涙ぐむ大河。かわいい。そうです。私は大河が好きです。
ラブレターは空だったってことを伝える竜児。すぐさま雰囲気は変わります。大河のかわいさとかわいそうさを描く番です。食べる大河もかわいい。
大河の家庭状況を、2010年以前で「そっか、家庭もそれぞれだもんな」って言える高校生竜児なにもの??????????しあわせになれ。
そして大河が可愛い。
MDだって!!!!MD------------------------!!!こんなに伸ばし棒付けちゃうくらいうれしい言葉。意識してないときに、耳に入ってきてうれしい言葉ランキング第一位「MD」。いただきました。
そして自分の恥をさらして、不法侵入犯罪者大河を慰めようとする。暴言を吐かれようとも、彼女を思うその姿勢、高校生竜児なにもの?????
竜児と大河が話すとき、大抵大河は目線を上に挙げていて、どうやってもかわいくなる。
生のやさしさに触れた時の、純粋な大河の反応が子供みたいだ。内面のにおわせ。
竜児の飯が生まそう過ぎる。嫁にしたい。生活力ありすぎませんか?高校生竜児何者??????
夜のシーンからだけど、全体的に色味が暗い。話が暗くないのに色味が暗いのはずーっと緊張感のある空気を演出している気がする。あ、でも家が暗いな、家が暗いっていうのに意味がるのかも。
「つくりもんみてえ」
竜児はそう言って、またポエムを。心情描写をこういう風にしてくれるのも「とらドラ!」の特徴ですよね。
暗かった部屋に、朝日がさします。これが物語の始まりを感じさせてすんごいうれしい。
ラブレターに貼られていた桜の花びらのシールで、ふすまの傷をふさいでいる。それがズームインされながら、名曲「バニラソルト」が流れ始めます。
とらドラ!の曲はどれも名曲です。よく見てほしいんですけど、みのりんの歩き方めっちゃいいっすよ。バカみたいで。
そして次回予告も渋くてスタンダード!最高
これ以上ない第一話じゃないすか?????????????????ねぇ?????????
まとめ
キャラクターの説明と、大河と竜児の腐れ縁となるきっかけを、爆発的な演出を使わず丁寧に描いている一話だと思いました。大河のかわいさも十二分に、竜児のキモ誠実さも十二分に。まさに、最高の一話だったとも言えます。この一話からつながっていくストーリーなので、一話の完成度が高ければ、高いほど全体の完成度も上がります。ほんとに素晴らしい一話だと思います。
一話では、今後話がどう展開するかまだ分かりません。ラブコメってそういうものですから、恋愛ってそういうものですから。どう転ぶのかめちゃくちゃワクワクしますよね。
そんな感じで、アニメ一話レビューウィーク「とらドラ!」でした。語感悪くてすみません。少しでも興味を持っていただえたらうれしいです。
書いた人 らーゆ
Twitter @yunotatemae