ドッペルさんと、痛覚
ドッペルさんは、痛覚が鈍いらしい。というか、ほぼ無いらしい。
僕(以下、I):……。
ドッペルさん(以下、D):何を考え込んでるの?
I:痛覚が無いって、どんな感じなのかなって。
D:ボクを心配してるの? それとも、同情してるの?
I:どっちでもないよ。……ただの興味。
D:興味、ねえ。
I:世の中には『先天性無痛無汗症』っていうのもあるみたいだけど……。ドッペルさんのソレは、違うよね。
D:まあ、ボクはキミのドッペルゲンガーだけど……。さすがに、感覚までは共有できないよ。
I:……。
D:こらこら、何してんの。
I:痛い……。
D:頬つねるから……。ここは夢の中じゃないよ。
I:……本当に、君は痛くないんだね。
D:キミは、ボクに痛がってほしいの?
I:そういうわけじゃないけど……。
D:痛覚って、何のためにあると思う?
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