この先、世界が暗いままでも
11/26。
5:08起床。
天気は晴れ。
*
ぼくはいつも、暗い内に目が覚める。
一見すると、朝なのか夜なのかわからない。でも、ほんの少し水気を孕んだ空気が、今が朝であることを知らせる。
4時とか5時とか、その辺りだろうか。ぼくは、冬眠明けのクマのように、のそのそと布団から這い出る。(『冬眠明けのクマ』のことは、よく知らないけど。)
パートナーは、まだ眠っている。起こさないように気を付けているけど、そもそも、彼は壁に頭をぶつけても起きない。
その後、じっと動かなくなるので、時々心配になる。生存確認をしても起きないので、一応しておく。脈も呼吸も正常。よし。
とにもかくにも、寝室を引き戸をそっと閉め、白湯を沸かし、PCを開く。ぼくが、ひとりぼっちになる時間。それは、決して悪い意味ではなく。
ぼくは思い出す。昨日、何をしていたのかを。
不思議なもので、一人で過ごしていた時間は上手く思い出せないのに、パートナーと過ごした時間はすぐに思い出せる。
昨日は、最近通っている本屋さんで、二人そろってカフェオレをすすっていた。それぞれ携えた(もしくは、その場で購入した)本を開き、時々会話を交わす。本当に、何でもないことを。
そのとき読んでいる本のことを、教え合ったりもする。前回は、クラフト・エヴィング商會の『じつは、わたくしこういうものです』を片手に、生産性のない楽しい話をした。
パートナーに似合いそうな、架空の仕事を作り上げて、彼に肩書きを付けてみる。そんな、ぼくが楽しい遊びを。(パートナーも楽しそうだったので、何より。)
昨日は……何の話をしたんだっけ。そうだ、「二人でアナログゲームを作るなら、どんなものを作ろうか」。そういう話だ。ぼくがアイデアを考えて、パートナーはゲームのシステムを考えて……。
パートナーは今、誕生日に贈った『ゲームメカニクス大全』という本に夢中だ。ボードゲームの仕組みについて学ぶ本。また、二人でやってみたいことが増えた。
そろそろ、6時になる。パートナーは、まだ眠っている。そろそろ、起こした方がいいのかしらん。まだ、そっとしておいた方がいいのかしらん。だって、あんなに気持ちよさそうに眠っているから……。
ぼくはいつも、暗い内に目が覚める。もしかしたら、いずれずっと暗い日々がやって来るのかもしれない。
でも、そのときもぼくらは、ほのかな灯りを照らして、手を握り合っていたい。
*
「僕だけが、鳴いている」
これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。
連載中。