.CALL.あの日の記憶(『.CALLC.』&『.CALLV.』/古川本舗)
2015年9月20日。
東京は新宿FACE。
公演「.CALL.」
ぼくは、その場にいた。
そして、同年12月4日。
ラストライブ「.RESPONSE.」
ぼくは、見届けることができなかったけど。
古川本舗、活動終了。
彼の旅は、終わりを告げた。
語る言葉一つ持たず、君がもし今も、
僕や、僕らの事を忘れてしまおうとしていても。
――『バンドワゴン』より引用
あれから、早5年。
彼は、終わったはずの旅を、再び始めた。
古川本舗、活動再開。
忘れたことなんか、一度もなかったけど。
語る言葉は、いくらでもあったけど。
ぼくはただ、その幸福を噛みしめた。
青く晴れたその日がいつか来るように、祈ってるよ。
――『Hail against the barn door』より引用
本当だ。
その日は、ちゃんと来たんだ。
彼にとっても。
そして、彼に憧れているぼくにとっても。
新譜は、年明けに出るらしい。
ああ、楽しみだ。
このまま夜とはぐれた
肩を抱いて、響かせ、想いを告げては
そっと瞳を閉じて
明日のことなど、忘れてしまう。
――『KAMAKURA』より引用
「.CALL.」
あの日は、ぼくにとって、古川本舗の最初で最後のライブだった。
ぼくは、世の中のライブのほとんどが夜に催されることを、この日ほどうれしく思ったことはない。
古川本舗の“夜”は、ぼくが最も好きな夜なのだから。
「.CALL.」では、『KAMAKURA』『ナイトクルージン』など、古川本舗の”夜”を代表する曲も演奏してくれた。
世界の夜と、古川本舗の”夜”の共演だ。
ぼくは、その場に立ち会えたことを、とても光栄に思った。
体ごと音に沈める夜、すぐに会いに行くよ。
――『ナイトクルージン』より引用
語りたいことは、まだまだある。
けれど、昔話はここまでだ。
なぜなら、バンドワゴンはまた走り出したから。
“夜”に“朝”に。
それから、“愛”とか“恋”とか。
全てを乗せて、動き出す。
恋をしたんだ この先もずっと
繋いで、繋いで! 切れてしまわぬ様に!
――『HOME』より引用
「.CALL.」があった。
「.RESPONSE.」があった。
じゃあ、その次は?
ぼくは、それを待っている。
彼の新たな朝を、心待ちにしている。
おかえりなさい、古川本舗。
『.CALLC.』&『.CALLV.』/古川本舗(2015年)
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