ほんの少し、光が射した気がした。
10/2。
5:28起床。
天気は晴れ。
*
ぼくが使っている枕は、横に長い。
どれくらい長いかといえば、布団の幅と同じくらいある。
だからなのかは、わからないけど。
今朝起きたら、隣で眠っているパートナーの頭が、枕の端っこに乗っかっていた。
(パートナーにも枕はあるんだけど、なぜか朝になるとどこかへ行っている。)
かわいいやつめ。
*
ぼくはずっと、パートナーに頼ってはいけないと思っていた。
(経済的なところは、めちゃくちゃ頼っているんだけど。)
たとえば、自分の両親のこと。
もともと折り合いが悪くて、現在さらにひどくなっている状態。
正直、もう会いたくなかった。連絡もとりたくなかった。
薄情だと思うだろうか。
けれど、そうでもしないと、もう自分を保てそうになかった。
送ってはいないけど、絶縁したい旨の手紙を書いた。
神経をすり減らしていく日々。
そして、昨日パートナーがいった。
「ボクが電話するよ」
パートナーの方からぼくの両親に連絡して、少なくとも「ぼくが経済的に自立するまで会わない」ことを話してくれるらしい。
ぼくは反対した。
これは自分の問題だし、そんなことをすれば、うちの両親はパートナーを罵るに決まっている。
特に父親は、叱るんじゃなく、感情まかせに怒鳴りつけるような人間だ。
そのせいなのか、町中しかり職場しかり、誰かが怒鳴っているのが聞こえると身をすくめる思いがする。怒鳴られているのが自分じゃないとわかっているのに。
パートナーはいった。
「ボクは、最後まで冷静に話せる自信がある。(ぼく)さんが電話に出たら、また感情的になっちゃうでしょ?」
実際にぼくは以前、年金事務所で職員から理不尽な対応を受けたとき、他のお客さんがいるにも関わらず、その職員を大声で叱責したことがある。泣き出すわ、そばにあったものを投げつけるわ、散々だった。
だからそれ以降、年金事務所とのやりとりは、代理人としてパートナーにやってもらっていた。
「たしかに、ぼくは前科がありすぎるけど……」
「(ぼく)さんは大切な家族だから。頼りたいときは頼って」
自分の両親のことまでパートナーに頼るのは、甘えだと思っていた。でも、自分が理性的に話せないのが目に見えているなら、それも一つの手かもしれない。それに、ぼくは何より、一人で抱え込みすぎていたのかもしれない。
「じゃあ、お願いします」
「任せて」
そうだった。ぼくはもう、一人で生きているわけじゃない。すぐそばで見守ってくれている家族がいる。
考えるだけで調子の悪くなる人間のことばかり、考えちゃだめだ。
自分を大切にしてくれる人のことを、もっと考えよう。
*
「僕だけが、鳴いている」
これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。
連載中。