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きっと、全てが見えてしまったら

10/23。

5:11起床。

天気は雨。





まったく見えない。雨が降っているはずなのに、いくら目をこらしても、それを確かめることはできない。


このめがねも、そろそろ潮時か。と思ったけど、潮時は何年も前に来ていたのだった。(度数がまったく合っていない。)おまけに、つるが歪んでいるせいで、何度も鼻からずり落ちそうになっている。……まあ、うちでしか使わないから、いいけどさ。


ぼくが裸眼で運転することは、法に触れる。目が悪すぎるからだ。(以前の免許更新日も、コンタクトを付けていったし。)じゃあ、裸眼で外へ出ることは? それも許されない?


許されないことは、ないだろう。ただ、他人に迷惑をかける可能性は大だけど。(大というか、ほぼ確実というか。)ぼくは別に、迷惑をかけたいわけじゃない。ただ、悪すぎるこの目で外へ出たら、世界はどう見えるんだろうって。


……まあ、今思い付いただけで、実行する気はないよ。それに、視力が良くても悪くても、人によって見える世界は違うよね。ぼくが見ている世界も。最も身近なパートナーが見ている世界も。同じ世界にいるはずなのに、見ているものは違うんだ。


それって、ちょっと寂しいなあ。……って、書こうと思ったけど、まったくそう思わないな。違う世界が見えているから、違う人間がいるんだろうし。同じ世界が見えていたら、似たような人間が大量生産されるだけだよね。


……あれ、雨止んだか?


自分が何を見ているのか、何を見ていないのか。何が見えていて、何が見えていないのか。そんなことを考えなくても、世界は変わっていく。今まで見落としてしまったものを、拾うこともできずに。


でも、何もかもを抱えていると動けなくなるから。だから、世界は見えすぎないようになっているんだろう。きっと全てが見えてしまったら、×んでしまいたくなるから。見えないものにはには、それなりの理由があるはずだから。


目が悪い話から、だいぶ脱線しちゃったな。そもそも、どんな話がしたかったんだっけ……。まあ、いいか。


めがねを外して、ベランダに顔を出してみる。外はまだ暗くて、付けているときと見え方が変わらなかった。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


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相地
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