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そわそわする朝には、(今朝は、ホットカルピス)

11/25。

4:47起床。

天気は曇り。





今朝のぼくは、そわそわしている。その『そわそわ』は、アルネにも移っちゃったみたい。


ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。

――どうして、そわそわしてるの?

――アルネも、そわそわしてるね。

――君が、そわそわしてるからよ。

――今朝は何がいい? お嬢さん。

――『そわそわ』……。ホットカルピス。

――それ、『そわそわ』したときの飲み物なの?

――ううん、飲みたいだけ。

ぼくは、沸かしたばかりの湯で、カップにほんの少しだけ注いだカルピスを薄めた。


アルネは濃いめがいいのかな、薄めがいいのかな……。甘ずっぱい湯気が、鼻の辺りをかすめる。

――いい匂い。

アルネはカップを受け取ると、ふわりと微笑んだ。

――たまにはいいね、あったかいカルピス。

――おいしい。

――よかった。……『そわそわ』にぴったりの飲み物なのかな。

――どうして、そわそわしているの?

――どうして……どうしてかあ……どうしてだろうね。

甘ずっぱいソレをすすりながら、そのことについて考えてみる。春の訪れを待つには、早すぎる季節だ。(『そわそわ』といえば、春のような気がして。)


そういえば、カルピスは夏の飲み物だっけ? でも、お湯で割っているから……。冬の飲み物といえなくもないかな。


そもそも、この『そわそわ』は季節に関係しているのか?

――わからない。

――ずいぶん、考え込んでいたわね。

アルネはもう、カップの中を空にしたようだ。ぼくのカップの中は、まだ半分以上残っている。

ぼくは、ソレがこれ以上冷めてしまわないように、急いですすった。

――ごめんね、ちょっと訊いてみただけだったの。

――ううん、ぼくもつい考え込んじゃって。

――『そわそわ』……。でも、悪い気分じゃないんでしょう?

アルネは口角を上げて、ちょっとだけ首を傾けた。とても可憐な仕草だ。

――そうだね、悪い気分じゃない。むしろ、幸せかもしれない。

――じゃあ、今日はそういう日なのよ。

――『そわそわ』の日。

――そう。

――アルネも、悪い気分じゃない?

――だって、私もそわそわしているもの。

ぼくとアルネ、二人同時にふふと笑う。たしかに、ぼくらは幸せだ。


そうだね。しばらく、そわそわしていよう。この『そわそわ』が、朝の空気に溶けてしまうまで。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


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