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この幸せは、ぼくが壊れないようにできている

11/15。

5:40起床。

天気は晴れ。





ぼくは今、幸せだ。


大切なパートナーが、そばにいてくれる日々。とても幸せだ。


両親とはしばらく顔を合わせていないし、口もきいていない。会社で――大勢の人達がいる環境で働いてもいない。全ては、ぼくが壊れてしまわないように。


ぼくの幸せは、ぼくの不幸に蓋をすることで成り立っている。


くり返すけど、ぼくは現在働いていない。収入は、2ヶ月に1回振り込まれる障害年金。もらえるだけでありがたいけど、1人で暮らすにはあまりにも少ない額。


だから、生活費のほとんどはパートナーが賄っている。そのことを、パートナーはまったく気にしていない。気にしているのは、ぼくだけ。


パートナーはいう。


「君は、作家になるんだから」


ぼくは前の前の職場で、ドクターストップがかかるほど、精神的に追いつめられたことがある。


両親も、そのときは優しくしてくれたけど、ぼくが最終的に退職を決めたときにこういった。「また調子が悪くなったときに、辞めればいいだろう」。それはぼくにとって、「×ね」といわれているのと同じだった。


そして1年後、ぼくはまた働いていた。障害者枠で。こんな自分にも合っているらしい事務仕事を。ここでなら、ぼくは長くやっていけるかもしれない。


でも、だめだった。今までの職場と同じように、ぼくはパニック発作を起こしたり、朝起き上がれなくなったりした。周りの人達は、みんなやさしかったのに。


ぼくは絶望した。自分を気遣ってくれる人達がいる環境でさえ、自分はだめになるのか。他人がいる環境。大勢の人達がいる環境。それが、ぼくの首を絞めつける。


ここ数ヶ月、両親との関係も悪化し、今後はパートナーを通じてやり取りすることになった。ぼくはようやく、自分を苦しめる全てのものから解放された。


『解放された』といういい方は正しいんだろうか。ぼくは、ただ逃げてきただけじゃないのか。傍らに、パートナーだけを残して。


きっと、こんなぼくを罵る人は、たくさんいるだろう。働いておらず、両親との折り合いも悪く。


でも、そうでもしないと、ぼくは生きられないんだよ。「死にたい、死にたい」と思わなくなってきたことは、ぼくにとってはものすごい進歩なんだよ。


ぼくは今、幸せだ。


大切なパートナーが、そばにいてくれる日々。とても幸せだ。


それでも筆を取るぼくは、どこへ行こうとしているんだろう。


どこへも行けないはずのぼくは。


……。
……。
……。


わからないから、書き続ける。この筆が、ぼくをどこへ導いているのか、見守りながら。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


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相地
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